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スイスの風邪予防策

日本でもスイスでも寒さが本格化して、風邪が流行する時期となりました。「日本は街なかを、マスクをつけて歩いているんでしょ?」と時々スイスの人に聞かれることがあります。スイスでは、医療関係者でもない限り、普段の生活でマスクを着用することは、ほとんどありません。マスクの予 防効果は一般的に知られてはいるものの、マスクは危険な感染病が蔓延している非常事態のようなものを連想させるようで、着ける習慣にはいたっておらず、それで余計に、メディアでしばしば目にする日本人のマスク着用姿が、強く印象に残るようです。それでは、スイスでは、マスクのかわりにどんな対策がとられているのでしょうか? 身近な予防策として、こちらで一般的で、日本ではあまりみられないものについて、ご紹介いたします。

<風邪茶>


以前、「バラエティーに富むハーブティー文化」という記事でもご紹介いたしましたが、スイスをはじめとするドイツ語圏では、非常に多様なハーブティーがあります。お茶の専門店や薬局だけでなく、スーパーでも多種のハーブティーが売られ、そのなかには、風邪の症状を抑える作用があると定評があるハーブティーも数種類あります。風邪の症状全般を対象としたもの、のどの変調に効くもの、抗菌作用のあるもの、咳や気管支炎を抑制するもの、などがその典型です。


<のどグミ>


薬用のど飴もありますが、のどによくしかも おいしく食べやすい、ということで、こどもたちにも人気があるのが、のどの炎症を抑えるカシスやアセロラなどの植物濃縮液が配合されたグミです。

160128-1.jpgグミベアーで有名なハリボに代表されるように、ドイツ語圏ではグミがお菓子として人気が高いので、のど用のグミも受け入れられやすいのでしょう。甘さ控えめでシュガーフリーのものが多いので、就寝前にも食用できて便利です。


<風邪風呂>


日本では風邪気味のとき、湯冷めをするといけないので、お風呂は避けるという方も多いのではないかと思います。ドイツ語圏では、普段はシャワーだけでほとんど風呂に入らない人も多いのですが、逆に、風邪の初期症状が現れたときにこそ、お風呂に入ると効果的だ、と思っている人が少なくないようです。

160128-2.jpg体をお風呂で温めることで免疫力を高め、風邪の症状をやわらげられる、と健康専門雑誌などでも、風邪の症状がでたときの入浴を薦めています(ただし熱があったり、すでに風邪の症状で体力が消耗している時はその限りではありません)。このため、「風邪風呂」という名のハーブを配合した入浴 剤や、関節痛や筋肉痛の緩和や背中や腰を温めるなど、風邪の症状にも効果的な入浴剤が、店頭でも売られています。子供用「風邪風呂」入浴剤を販売している会社もあります。


<海水スプレー>


鼻詰まりがひどい時に威力を発揮するのが、 海水スプレーです。その名の通り、海水と同じ成分、あるいは本物の海水をつかった塩水のスプレーで、鼻に下から1日数回シュッと吹き込むだけで、鼻の通りに効果があり、風邪の症状が和らぎます。単なる塩水なので、薬のような副作用が心配されることもなく、風邪以外にもハウスダストやスギ花粉などのアレルギー性鼻炎にも使用することができます。 乳幼児から使用できるものや、粘膜を保護する植物エキスをさらに加えたものなどもあります。

160128-3.jpgところで、わたしが海水スプレーを最初に 知ったのは、スイスに来てまもないころ、乳幼児だった子どもの風邪で小児科を訪ねた時だったのですが、以下のようなやりとりが、その前にありました。 子どもの鼻づまりがひどいのに、日本にある幼児用鼻水吸引のような道具を使うことを勧められなかったので、吸引が必要ないのかと医師に聞くと、「日本では鼻水を吸引するんですか? (軽く身震いして)気持ち悪い!それは親にとっても子にとっても不快だし、弱い鼻の粘膜を傷つける危険があるから、わたしは断固反対します。」 と回答され、かわりとして、この海水スプレーを処方されたのでした。 小児科の先生の拒絶反応がとても大きかったので、「スイスは、ずいぶん日本とやり方が違うのですね」と答えると、「当然です。同じ医者でも、自分のいるところでやっていることし知らないわけですから(ほかの国や地域でやっていることはわからないのです)」との返事がかえってきました。世界中どこでも人間は風邪をひきますが、それへの対応は同じ西洋医学の医療機関でも、地域によって少しずつ異なるものなのだ、という事実が鮮明になって、印象に残った出来事でした。


<食品(食事)療法>


ハーブだけでなく、ほかにも食事や身の回りの食品を使ったいろいろな風邪予防の方法が、生活の知恵として今もみられます。ここではその一例として、最も一般的に普及しており、看護師の知人からも薦められた、たまねぎを使った風邪予防法を紹介しましょう。みじん切りにした生のたまねぎをクッキング・ペーパーに包み、咳であれば背中、耳が痛ければ耳、鼻がつまっていれば寝床のそば、というふうに、疾患部分にそのまま包帯等で固定したり、近くに置いておく、というものです。たまねぎには、抗菌・殺菌作用があって、肌を通して効いていき、体全体に効果ででるそうです。ただし部屋がたまねぎ臭くなることは必至です(!)。

ところで、スイスに住む人の4人に一人は外国籍で、もともと外国育ちでスイスの国籍を取得したという人も大勢います。そんな外国出身の人たちは、スイスの地に、どんな食事や食品療法をもちこみ、あるいは実践しているのでしょうか。スイスでドイツ語講座を受講している、世界中から移住 してきてまだ日の浅い外国人たちに、以前、このことについて尋ねてみたことがあります。すると、回答者がほとんど主婦であったせいもあり、胡椒や紅茶、塩、酢、アルコール、しょうが等、 それぞれの地域で簡単に手に入る食材を使った伝統的な療法を、かたことのドイツ語で熱心に教えてくれました。いくつ かの地域に共通するものもあれば、独特の地域的な療法もありましたが、風邪予防の療法や伝統的な土地の知恵は、世界中にあるものなのだと改めて知ることができました。


<最強の風邪予防策?!>


スイスに住み始めて10年近くになります が、これまで医療関係者以外で、インフルエンザの予防注射を定期的に受けているという人をまわりで聞いたことがありません。子供が小さい時によく通った先ほどの小児科でも、予防注射をすすめられたことは一度もありませんでした。もちろん、インフルエンザについてメディアで報道されることもしばしばありますが、学校や家庭での、インフルエンザ予防意識は、日本に比べれば希薄な気がします。「学級閉鎖」や「学校閉鎖」に相当するドイツ語もありませんし、実際、学級や学校が風邪やインフルエンザで閉鎖されるということも、まわりの誰に聞いても、 聞いたことがない、といいます。

スイスではなぜ、日本と比べ、インフルエンザがそれほど憂慮されないのでしょう?少なくともこれまでは、それですんでいたのでしょう? 通勤・通学に利用する公共交通機関の頻度や時間、また人々が生活する場の密集度など、生活や就労環境にまつわる様々な要素が関連している話なので、簡単に解答ができることではないと思いますが、個人的な意見では、学校の休暇制度の違いが大きな鍵を握っているように思いま す。

スイスの学校は2学期制で、1学期が終わり、後半の2学期がはじまる前に、通常1〜2週間の休暇があります。地域によって休みの長さや時期は異なりますが、たいていの地域では、 毎年2月中のどこかにこのような休暇が設けられています。休暇がスキー・シーズンに重なっていることもあり、「スポーツ休暇」と呼ばれていますが、例年、この休暇の直前あたりから、ちょうど寒さも強まり、風邪も流行しだしてきます。しかし風邪が流行りだしても、その後すぐに、1〜2週間、児童が一斉に休暇をとることで、互いの感染が抑制され、風邪の流行が沈静化されます。これが、非常に風邪やインフルエン ザの最大の予防になっているのではないかと思います。こどもたちのこの時期の休みに合わせて、会社勤めの親もスキーなどの長期休暇をとる場合も多く、その意味では、社会全体の風邪の流行を阻止するのにも、学校の休暇が、間接的に一役買っていることになります。


日本では、ちょうど風邪やインフルエンザの 流行時期と受験シーズンが重なってして、自分が風邪をひくのはもちろん、他人にうつすことも心配で、大変、神経を使う時期かと思います。 暖かくなってくるまでのもうしばらくの間、どうぞ、この記事を読んでくださったみなさまも、くれぐれもご自愛ください。



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