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前途有望な 未来の食材?

人口が増え続ける将来の食料危機が心配されていますが、もしも地球上いたるところで見られるのに食べられていない食材がまだあるとしたら?さらにそれが、安全で栄養価が高く、おいしいもので、安価で量産も可能だとしたら?そんな上手い話があるはずがない、と思う人が大半かもしれませんが、そんな夢のような食材を実現するために、研究や生産に取り組む人たちが一同に集まる会合が、先日スイスが開かれました。その名も 「スイス昆虫食会議」。この会合は、昨年始まったばかりですが、虫を食べるというセンセーショナルなテーマが逆に話題をよぶこととなり、 以後メディアでもたびたび取り上げられています。

国際連合食料農業機関(FAO)によると、 食用昆虫の種類は世界で2000種あり、20億の人が実際に食用としています。ただし昆虫食はほとんどアジアに限られ、ヨーロッパでは、 戦中戦後の食料が逼迫していた時代までは一部の農村でみられたものの、現在はほとんど残っていません。しかし、昆虫は高タンパク質など栄養学的に優れ、暑さや乾燥など過酷な環境にも強い昆虫はほかの家畜の飼育に比べて、はるかに小さいスペースで効率よく安価で飼育することができます。このため、特に途上国においては、今後の食料危機を回避する貴重な栄養補給源として有力視されています。また、昆虫を家畜の飼料として使うことももちろんできますが、昆虫を飼料にした家畜や魚を食べるよりも、人が直接昆虫を食べるほうが、はるかにエネルギー効率がよく、Co2の削減にも大きく貢献することができます。

ただし、高価な食材を購買できる先進国の消費者のなかで、虫をあえて食べる文化が根付いていくのかは、まだ未知数です。ただ、昨年からメディアで注目されたという事実も物語っているように、人類が将来さけて通れない食料や環境危機の一つの打開策として、環境意識が高いスイス人の間で、一定の期待がされているのは確かだと思います。事実、現在のスイスでは、食用や飼料用として昆虫を食用とする商業行為が禁じられていますが、2016年に食品法を改正して、何種類かの昆虫が食用として認められる見通しが高くなっています。そうなると早ければ、来年の秋ごろにはバッタやコオロギなどがレストランに登場するかもしれません。ただし、今後本格的に昆虫食がビジネスとして定着・展開していくためには、スイスだけではなく、ヨーロッパ諸国でも同様の昆虫食の規制が緩和されていくかが鍵となりそうです。

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一方、環境や食料危機の観点からだけでなく、味わい豊かな新たな食材としての面に注目する専門家たちもいます。現在知られている食用昆虫の2000種の味は、肉や木の実類、柑橘類を連想させる食感など、非常にバラエティーに富んだものであり、デリカテッセンと賞されるものもあります。30年前には(ヨーロッパ人に)考えられなかったような、生の魚を食べる寿司食が、現在のヨーロッパで広範に愛好されているように、 今後5年から10年で昆虫食への見方が大きく変わり、味にこえた先進国の人々の間で、昆虫という新たな食材を使った食文化が定着する素地は十分にある、専門家は指摘します。ちなみに、チューリッヒ応用科学大学学生と関係者を対象にした最近のアンケート調査では、昆虫食を絶対に口にしたくないと答えたのは3割弱で、6割以上の人は、虫の種類やみかけがどうかによるが、虫を食べられると思う、と回答したそうです。

昆虫食は果たして本当に未来に定着するのでしょうか。もしそうなるとすれば、従来の食文化や虫のイメージを強く打ち破っていくことが必要でしょう。 それには、味もさることながら、イメージ(加工の仕方やみかけも含めた)や、環境意識が重要な鍵を握るのかもしれません。食品関連法の改 正以後のスイスでどのように展開をしていくのか、今後も興味津々見守っていきたいと思います。

<参考サイ ト>(特に表記していないサイトはドイツ語で書かれています)
(注:スカイフードとは食用昆虫の別名)

スカイフードに関するユーチューブチャンネル(英語)

第二回スイス昆虫食会議プログラム(ドイツ語・英語)

昆虫食(日本語ウィキペディア)

チューリッヒ応用科学大学雑誌『インパクト』29号(2015年6月)、32-38ページ

チューリッヒ応用科学大学雑誌『グレーザー』3ページ

ラジオインタビュー(2015年9月3日)


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