牛の角をめぐる国民投票 〜スイスの直接民主制とスイスの政治文化をわかりやすく学ぶ
2018-11-19
スイスは直接民主制の国として世界的に知られています。最近、この民主制を理解するのに格好の、わかりやすい事例がありましたので、今回はそれをみていきながら、現代スイスの政治システムとそれをとりまく政治文化について、概観してみたいと思います。
スイスの直接民主制とは
現在世界のほとんどの民主主義国家では、有権者たちが選んだ代表者(代議員)を議会に送る「間接民主制(代表民主制)」という政治制度を用いています。これに対し、直接民主制とは、有権者が、国(あるいは所属する州や地域)の法律や政策決定に直接関与する(参加する)制度です。スイスでは、有権者は一定数の署名を一定期間に集めることで、ある提案を、投票に持ち込むことを指します。国レベルのことを決める投票であれば、国民投票、州レベルや自治体レベルのテーマを投票で決めることは、一般的に住民投票と表されます。
スイス以外の国でも現在、直接民主制を導入している国は、ウルグアイ、スロベニア、台湾などいくつかありますが、直接民主制が19世紀以来続いており、国政レベルでもこの制度が頻繁に利用され、非常に重きが置かれている、という点で、スイスの直接民主制は、世界でも唯一無二のユニークな存在です(ただし、直接民主制がスイスの政治上重要だといっても、スイスにも議会があり、その代表を選出するのに間接民主制を利用しています)。
国民投票の種類
国民投票を具体例からわかりやすく説明するという本題に入る前に、国民投票の種類や概要を手短に説明しておきます(少し細かい話になりますが、しばしご辛抱ください)。
スイスの国民投票には、投票の対象となる内容の違いによって「イニシアティブ(国民発議)」と「レファレンダム」という二つのタイプがあります。
イニシアティブとは、連邦憲法改正案を提案し、その是非を可決するものです。スイスの有権者で、有権者の10万人の署名を18カ月以内に集めることができれば、誰でもイニシアティブを提案し、国民投票に持ち込むことができます。内容が明らかに「違法」と判断されるようなものはイニシアティブとして成立させることができないことになっていますが、違法性を事前に判断すること自体も難しいため、原則としてイニシアティブとして成立したものは国民投票にかけられることになります。
これに対し「レファレンダム」は、すでに存在する法律や憲法に関する異議を申し立てる国民投票です。正確にいうと、この中にも、さらに二種類のものがあります。一つは、連邦議会が通過した法律に異議がある場合に、国民投票に持ち込み、最終的に国民が法律の可否を決めることです。これは、「(随意の)レファレンダム」と言われます。法律の公表日から100日以内に5万人分の署名を集めることができれば、どの法律に対しても可能です。
もうひとつは、連邦議会が憲法改正案を承認した場合に行われる国民投票です。憲法を改正する際には必ず国民の承認が必要なため、国民投票が自動的に行われる運びになります。通常これは、「強制的レファレンダム」と言われます。
ちなみに、国民投票の提案の対象が憲法か、法律かによって、提案の採用条件が変わってきます。法律に関する国民投票(つまり随意のレファレンダムの場合)では、投票者の過半数の賛成票があれば、それだけで、提案は採用されます。これに対し、憲法に関わるほうの国民投票(つまりイニシアティブと強制レファレンダムの場合)では、国民の過半数が賛成であることかつ、賛成票が多数を占める州が過半数になる必要があります。
出典: Bundeskanziel, Volksabstimmung vom 25. November 2018 - Erläuterungen des Bundesrates
スイスの直接民主制を学ぶ絶好の機会
一通りの国民投票の概要説明が終わりましたので、このあとは、最近の具体例に沿って、みていきます。
今回取り上げるのは、今年の11月25日の国民投票で問われた、三つの提案の一つ、「農業用家畜の尊厳のための」イニシアティブ(国民発議)です。イニシアティブの正式名称が長いため、通常略して「角のある牛Kuhhorn」(ドイツ語の場合)と呼ばれているものです。ちなみに、この記事では、基本的な内容が一致し、日本語としてすわりがいい、「牛の角」イニシアティブという表記を用いることにします。
角のある牛?牛の角??これらの言葉が、これまでみてきた政治制度の話とあまりにかけ離れているため、牛の角が政治となんの関係があるのかと、不審に思われる方も多いかもしれません。私も実際、初めてこのイニシアティブについて聞いた時、そうでした。なぜこれがスイスの国民投票のテーマなのか、話を続けていきます。
たった一人の行動からはじまった
このイニシアティブを立ち上げたのは、アルミン・カパオルArmin Capaulさんという、妻と二人で酪農を営む67歳の男性です。
カパオルさんは、酪農家としてこれまで除角(文字通り角を取り去ること)しない牛やヤギを飼育してきました。一方、大方のスイス農家で今日飼っている牛は、ほとんどが角のない牛です。遺伝的に角がない牛を選び飼育している場合もありますが、もともとは角がある種類の牛の場合は、ほとんどが若い頃に除角されているためです。
角があると牛舎も広くとらなくてはならず、世話をする人や牛が角で怪我をする危険がある、という経済や安全面の理由により、牛の除角はさかんで、カパオルさんの推定では(正確な統計データはありませんが)スイスで飼育されている牛の9割は、角がないと言われます。
カパオルさんは、しかし除角は牛の尊厳を奪うことと感じ、本来角があるはずの牛を少しでも除角せずに飼育する酪農家に助成金を支出できないか、過去10年近く、役所等を相手に請願を続けてきました。しかしなんの成果も得られなかったため、国民に直接是非を問うイニシアティブという手段にうったえることにしました。
とはいえ、署名を集め始めた当初は、本人も含め周りの誰もが、イニシアティブを成立させるために必要な18ヶ月で10万人の署名を、まさか本当に集められるとは思ってはいなかったようですが、農家に関係のない都市住民層なども巻き込み、次第に反響をよぶようになり、最終的にイニシアティブを成立させるための署名数より5万人も多い、15万人もの署名を集めることに成功し、めでたく国民投票にかけられる段取りが整いました。
ちなみに、イニシアティブは、憲法にまつわることの提案でなくてはならないため、農業に関する憲法の104条に、除角していない牛(やヤギなど角のある家畜)を飼育する農家に助成金をだして支援する旨を加筆する、という提案になっています。これによって、角のない牛を飼う人を規制するのではなく、角のある牛を飼う人を助成金で支援するという形で、角のある牛の割合が現在の1割よりも減らないよう食い止めたい、というのが彼の意向です。
たった一人の声も、社会で共感され、必要な署名を集めることができれば、国民投票にかけられる、これがスイスだ、とカパオルさんは、カパオルさんについてのドキュメント番組で語っています(Re:, 2018)。本当に、ほかの国ではまず考えられない、とてもスイス的な制度だといえるでしょう。(ただし、イニシアティブは一人では成立させることができません。7人以上27人以下の有権者からなる発議委員会を発足させ、それがイニシアティブを提出するという形式をとらなくてはなりません。このため、カパオルさんも、署名を集めるだけでなく、全国から賛同者を募って、最終的に15の州から16人を集めて発議委員会を立ち上げています。)
ちなみに、少し話はずれますが、このドキュメントを作成したのはスイスではなく、仏独共同放送局「アルテ」の中心的ドキュメント番組「Re: 」でした(スイスの公共放送としては、選挙の公平性を保つ必要もあり、カパオルさんに寄り添った特集を国民投票前に放映することは難しかったことでしょう)。角をもつ牛の飼育に農業助成金に奔走する人物という、きわめて「スイス的な」国内事情を反映した話であるにもかかわらず、それがヨーロッパの人物をクローズアップする番組で取り上げられ、番組をとおし、広くヨーロッパで知られるところとなったというのがまた興味深い話です(番組「Re: 」と、ヨーロッパ全体を対象にした仏独共同のメディア発信事業については「仏独共同の文化放送局アルテと「ヨーロッパ」という視点 〜 EU共通の未来の文化基盤を考える」をご参照ください)。
イニシアティブ提出後の困難と強力な味方の登場
署名を集めて、イニシアティブが成立するところまでは、本人も驚くほど順調にいきました。しかし、そのあとには壁が立ちはだかります。
イニシアティブの提案は、国民投票にかけられる前に、まず連邦議会(ちなみにスイスは二院制で、上院にあたる全州議会と下院にあたる国民議会からなります)で賛成するか、反対するか、あるいは対案をつくるかが協議され、採決の結果が連邦議会の公式見解として示されるのですが、牛の角イニシアティブの場合、社会民主党と緑の党の党員からは支持を受けますが、反対が多数であったため、両院とも提案を受け入れない、という公式見解が示されました。政府も同じ見解です。角を残すことで(起こりうる危険を避けるため)農家が牛を繋ぎ飼いすることになりかねず、そうすれば除角以上に、牛の福祉を害することことになるというのが主要な理由です。
国民投票は、連邦議会の公式見解に関係なく必ず実行されますし、最終的に提案を受け入れるかを決めるのは投票する国民自身であることは確かですが、有権者の判断の助けとして、連邦議会や政府の公式見解の影響力は少なくありません。
ちなみにこのような政府の公式見解は、提案の概要や賛否両論とともに公共放送や、選挙用紙といっしょに配布される資料、また政府のホームページ上の約3分間にまとめた提案についてのビデオでも示されます。
出典: https://www.admin.ch/gov/de/start/dokumentation/abstimmungen/20181125/hornkuh-initiative.html
多くの農業団体も、カパオルさんの提案に反対を表明します。カパオルさんの提案は、大部分の角なしの牛を飼う酪農家が除角するのを妨げたり、まして除角を全面的に禁止するというものでないことを提案でも明記しており、多くの角なし農家と直接的な利害対立関係がないようにみえますが、どうもことはそう簡単でもないようです。
角のある牛への助成金を増やすことになれば、現在支給されている農業助成金の一部が減らさせる可能性が高く、自分たちの農業が圧迫を受けることが最も大きな懸案事項のようです。また、この提案が、直接的でないにせよ、自分たちの現在の牛の飼育の仕方を真っ向から否定しているような気がして、感情的に、受け入れ難いということがあるようです。角なしで牛舎を自由に動けるようにすることの方がむしろ、牛の生活の質を高めている、と強く反論します。
こういった提案の内容に関する否定のほかに、農業は基本的に農家が自分たちで最適化を計るよう進めていくべきものであり、除角の牛の助成金といった細かい話を、憲法で定めること自体が、政治的な処理として不適切、とする意見もみられます。
このように向かい風が強くても、資金力があれば、ポスターを各地に貼ったり、メディアに広告記事を載せるなど、ほかの大々的なキャンペーン手段で、国民に訴えることもできるしょう。しかし、いかんせん、このイニシアティブは基本的に一人の農民とわずかな賛同者や有志の支援者だけで運営しており、資金も人力が乏しく、国民投票のキャンペーン活動は、ささやかな規模にすぎません。カパオルさんと妻は、すでに貯蓄約5万5千フランを署名集めの費用などに使い果たしています。
他方、当初予想もしていなかったことですが、カパオルさんには、非常に強力な支援者がいることが、次第に明らかになってきました。それは、マスメディアです。資金力も政治的な影響力もないカパオルさんのところに、ここ数年、連日にように、メディアがおしかけ、繰り返しカオパルさんの言動を報道しています。国民投票の1ヶ月前の時点で、カパオルさんに関する国内外の報道は、記事だけでも4000件にのぼるとされます(Koch, 2018)。
メディアで脚光をあびる直接的な理由
なぜ、一農家のカパオルさんが、これほどメディアで脚光を浴びることになったのでしょうか。これには、直接的な理由と間接的な理由(社会的な背景)の二つがあると考えられます。
まず直接的な理由としては、単独で国民投票を起こしたカパオルさんが、人々がメディアで好んで読みたくなる(視聴したくなる)ような、好印象とユニークさを兼ね備えた人物であったからだと思われます。現代の一般的な政治活動やロビイストの常識とあまりにかけ離れた、大変ユニークな存在であり、カパオルさんの風貌や態度も、そのイメージを裏切らないような絵に描いたような農家風な風情です。
連邦議会の要人と会う時でも、いつもと変わらぬ服装、ボンボンのついたカラフルな毛糸の帽子にセーター姿です。討論会では、発言は飾り立てることも、声をあらげることはなく、淡々と牛思いのメッセージを繰り返します(参考リンクにある「牛の角」イニシアティブの公式ホームページIG Hornkuhを開くと、毛糸の帽子姿のカパオルさんが牛のマリアンヌと映っている写真がみられます。)
体の一部である角を除角することは、痛みを伴うだけでなく、牛の尊厳を奪うものだ。だから、今残っている除角させない農家だけはせめてこれからも除角しないように支援すべきだ。
自分の利害や政治的な野心とは無縁で、ひたすら牛(やほかの角もつ畜産動物)のため、という直球のメッセージやその行動力には、反対派も敬意を抱かずにはいられず、「誰もが好感を抱かずにはいられなくなる」(Koch, 2018)と言われるほどです。イニシアティブの結果とは関係なく、カパオルさんは、このイニシアティブの過程を通じて、押しも押されぬ、現代スイスの国民的なヒーローになったと言えそうです。
ということは逆に言えば、牛の角そのものの問題がスイス人に非常に大事だったから国民投票になったというわけではなく、またもしも、カパオルさんでなく、農業団体が同じようなイニシアティブを立ち上げたのであれば、これほどメディアで注目されることもなかったと言えるでしょう。
人気の背景にあるスイスの特有の事情
とはいえ、毛糸の帽子の農夫の言葉が、国の津々浦々に響きわたったのは、スイスという国のもつ事情も強く関連しているといえます(例えば、カパオルさんのような人物が同じことを訴えても酪農の伝統に縁がないアラスカやシンガポールでは、まったく国民の反応は違っていたことでしょう)。
スイスと聞いて、一般にまず連想するのは、ゆったりと牧草を食む高原の牛の姿を連想する人は多いと思いますが、それは、観光客だけでなく、スイス人自身にも共通しています。
日本人にとって、日本語という言語は、ほかの国と自分を差異化させるアイデンティティの上で、大きな比重を占めていますが、スイスではその限りではありません。スイスでは公用語が複数あり、言語で国内を一つに統一できませんし、スイスの公用語であるドイツ語、フランス語、イタリア語は、隣りの大国(ドイツ、フランス、イタリア)の母語でもあります。つまり、言語をもって国を一つに統一することも、ほかの国と差異を明らかにすることもできないわけですが、そのようなスイス人にとって、代わりに、アイデンティティの拠り所として高く比重が置かれているもの、それがアルプスの風景や伝統的な酪農を中心とした生活文化です。
アルプスはスイス全体に広がっており、どの公用語圏内でも同じような風景や生活文化がみられます。アルプスからはずれる低地の都市においても、天気が良ければ、山々が見渡せ、アルプスの山々との地理的なつながりを感じます。
アルプス、そしてそこで営まれる昔ながらの酪農文化は、「スイスらしい」象徴的な原風景として、多言語のスイスでも共通する重要な部分を占めているとされます。もちろん、異なる意見の人や例外もあり、年々変化もあるでしょうが、少なくとも、近年までのスイスの文化研究においては、スイス人のアイデンティティの重要な部分に、アルプスの風景や伝統的な生活文化があるという見解が主流です。
このため、スイスには国の動物と公式に認定される動物は存在しませんが、牧草地のどこにでもいて風景の一部となっている牛たちは、それに匹敵する存在であると思います。つまり、スイス人にとって親近感がとりわけ強い存在の動物といえます。
しかし、隣国の酪農業界との競争が激しい酪農で生計を立てることは非常に厳しく、酪農業界全体の高齢化も深刻であるため、離農する人があとをたちません。現在酪農家はスイス全国で5万軒ほどしか残っていません。一方、酪農を続ける側は、生き残るために、牛乳生産量の多い牛の飼育や、各種作業の機械化・自動化を進め、酪農経営の合理化を一貫してすすめてきました。(「スイスの酪農業界のホープ 〜年中放牧モデルと「干し草牛乳」」)
そのような現在のスイスの酪農の実情を断片的に象徴しているのが、カパオルさんが指摘する、増え続ける牛の除角なのでしょう。
カパオルさんが今回対象としたのは、除角というテーマだけですが、牛の飼育の仕方や農家への助成の在り方などを議論する時、これまで産業化・自動化を推し進めてきたスイスの酪農業界全体にも関心が向けられ、今後「合理性」「経済性」をどこまで問うのかといった、よりより深い根幹的な問題にもつながっていきます。自国の酪農の在り方について、経済性や合理性から語るのでなく、国民の感情に訴え、今は圧倒的多数が都市周辺に住み酪農に縁遠い国民たちの目を、それらの問題に向けさせたという点で、イニシアティブの成立如何とは別の次元で、大きな社会的なインパクトを残した、イニシアティブであったと思われます。
おわりに
今回の事例を通して改めてみえてきた、スイスの直接民主制の特徴をまとめてみましょう。
―スイスでは、今回のような非常に特定の分野の限られた「牛の角」を扱うような特殊なテーマであっても、また潤沢な資金や政治的・社会的な影響力がない一市民であっても、有権者10万人の賛意が得られれば、国民投票になることが可能である。
―国民投票前には、政府やメディアは賛否両論者の意見を並行して提示したり、各種の議論番組を組み、国民がそれぞれ十分な検証をできるしくみが整備されている。
このような国民投票の機会が、スイスでは年に平均四回あり、毎回通常3から4件の案件が採決されるというのですから、国民の負担も半端ではありません。それでも、国民投票の投票率は通常毎、4割から5割で、全く選挙にいったことがないという若者は2割程度にとどまるということですから、自分たちの民主主義制度を守るために投票に行くことを義務と感じている人が、未だに比較的多いといえるのではないかと思います。
このような直接民主制、スイス人にとっては、あまりに「普通のこと」で、全く特別だと感じない、と言いますが、そのスイスであまりに普通となっていること自体が、ほかの国からみると、いかに特殊であるかが、今回の事例でかいまみられるのではないかと思います。
同時に、今回の国民投票のテーマやそれを扱う一連の発熱した議論自体が、スイスの歴史的な風土をよく映し出しており、改めてスイスのお国柄というものに触れられる気がしました。フェイクニュース、ポピュリストの台頭、移民の受け入れ問題。世界で昨今繰り返し報道されているテーマをざっと眺めてみると、そのことが、よりはっきりみえてきます。牛をどう扱うべきか、牛の角の役割や、除角の痛みがどのくらいあるのか、といったテーマを国民全体を感情的に巻き込みながら真剣に討論し、それらの賛否両論者の意見を、繰り返し報道する国は、スイスのほかにどこかあるでしょうか。
ところで、「牛の角」イニシアティブの結果はどうだったのでしょう。今回の記事はあえて選挙の一週間前に筆を置き、結果をここに記さないことにしました。このイニシアティブの結果や、スイスの直接民主制全般に興味をもたれた方は、これを機に、ぜひ、ご自分で結果を調べてみていただければと思います。例えば、下の参考サイトとしてあげた「スイスインフォ」(スイスの公共放送のオンラインニュース配信サイト)の「直接民主制へ向かう」では、スイスの直接民主制や今回の国民投票に関する様々な記事など、最新のテーマの記事が日本語でラインアップされていて、たちどころに豊富な情報を得ることができます。
主要な参考文献・サイト
Bundeskanziel, Volksabstimmung vom 25. November 2018 - Erläuterungen des Bundesrates
Gehört die Hornkuh in die Verfassung? In: Echo der Zeit, SRF, 16.10.2018, 18:00 Uhr
Hornkuh-Initiative. In: «Abstimmungs-Arena», SRF, Freitag, 2. November 2018, 22:25 Uhr
IG Hornkuh(「牛の角」イニシアティブの公式ホームページ。毛糸の帽子姿のカパオルさんが牛のマリアンヌと映っている写真がみられます)
Pro und Contra die Hornkuh-Initiative. In: Tagesgespräch, SRF, Freitag, 2. November 2018, 13:00 Uhr
Re: Die Würde der Kuh.Ein Schweizer kämpft für Rinder mit Hörnern. In: Arte, 5.10.2018.
穂鷹知美
ドイツ学術交流会(DAAD)留学生としてドイツ、ライプツィヒ大学留学。学習院大学人文科学研究科博士後期課程修了、博士(史学)。日本学術振興会特別研究員(環境文化史)を経て、2006年から、スイス、ヴィンタートゥア市 Winterthur 在住。
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