海外から化粧品を輸入する方法【1】

海外から化粧品を輸入する方法【1】

化粧品薬事・化粧品全般のコンサルタントをされている、株式会社ミナモ代表の木村百合さんのご協力を仰ぎまして、「海外から化粧品を輸入する方法」を全5回に渡って掲載させていただくことになりました。 木村さんがおっしゃってますが、2001年の規制緩和以降、化粧品の販売や輸出入が簡単になり、誰でもすぐに販売できるようになったのは良いことですが、化粧品についての知識がなくて輸入や販売することは、日本の法律に抵触してしまうことも多く、実際にそのような商品が販売され、結局は回収等になってしまうということもあるそうです。 そのため、少しでも化粧品を輸入して販売したい方に、日本の法律を知って適切に対応して戴きたいということで、協会のコラムにも掲載していただけることになりました。 木村さん、ご無理なお願いをお聞きいただき、ありがとうございました。

一般社団法人 日本ネット輸出入協会
塚原昭彦 荒木妃佐己

海外から化粧品を輸入する方法【1】

ここ数年、海外の化粧品ブランドを日本へ輸入しようという方が増えています。 海外旅行へ行って、現地の化粧品を使ってみて、日本へ輸入したいと思う人もいらっしゃるかと思います。 でも、化粧品は雑貨と同じように、売りたいから輸入して、簡単に売れるわけではありません。 もちろん、自分が個人で使いたいから輸入するということは、問題ありません。ただし、一回に輸入できる数が限られています。また、それを第三者に販売することはできません。 化粧品を輸入して販売することについても、日本で製造した化粧品を販売するのと同様に薬事法の規制を受けます。 輸入する時は、厚生労働省から化粧品製造販売業の許可を前もって取得していることが前提条件(取得するのに2か月位かかります)となります。 もし、取得が難しいようでしたら、すでに取得している会社に輸入をしてもらい、自分たちは販売元として販売するだけにする方法もあります。(取得するためには、準備や人の条件があります。それは後日) 薬事法第12条では、このように定められています。 『医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療機器の種類に応じ、それぞれ厚生労働大臣の許可を受けた者でなければ、それぞれ、業として、医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療機器の製造販売をしてはならない。』 製造販売業の許可を持ってないと、化粧品を製造販売はしてはならないということです。 この製造販売とは、日本で作って販売するということだけでなく、輸入して販売することも含まれています。 それは同様に、薬事法第2条第12項でこのように定められています。 『この法律で「製造販売」とは、その製造等(他に委託して製造をする場合を含み、他から委託を受けて製造をする場合を含まない。以下同じ。)をし、又は輸入をした医薬品(原薬たる医薬品を除く。)、医薬部外品、化粧品又は医療機器を、それぞれ販売し、賃貸し、又は授与することをいう。』 そして、その製造販売業の許可を受けるためには、いくつかの基準や条件があります。 要は、製造販売の許可を受けたものでなければ、化粧品の輸入販売はできないということになります。(先ほども説明しましたが、製造販売の許可を受けた会社に輸入の手続きをしてもらって、自分は販売元となって化粧品を販売することは問題ありません。) さて、製造販売許可を取得した上で、輸入するとします。製造販売業者は、薬事法にしたがって手続きを行い輸入します。 ・成分のチェック ・法定表示の記載チェック ・各種輸入手続き 各種輸入手続き以外、処方などの成分からパッケージまで、ここから先は日本で製造された化粧品となんら変わりません。日本の薬事法に従うことになります。 たとえば、日本で許可されていない成分が使用されていた場合、輸入することはできません。 また、全成分表示など、パッケージの記載事項については、日本で製造したものと同様、きちんと記載します。 「基本的なことは、見てわかるように日本語で書くこと」とか「誰が輸入したか記載しなければならない」など、輸入化粧品ならではの留意点もあります。 このように化粧品の輸入販売は手続きが必要です。 化粧品を輸入して販売したいと考えたら、まず製造販売業の許可を持っている業者に相談するか、化粧品薬事に詳しい方に相談されることをお勧めします。

海外から化粧品を輸入する方法【1】>【2】

株式会社ミナモ代表 木村百合

薬科大学を卒業後、化粧品会社の研究所で化粧品の開発と法律を担当。 現在は独立し、化粧品の企画販売、外国化粧品の輸入代行、化粧品薬事・化粧品全般のコンサルタントとして活躍。 薬剤師。化粧品会社 株式会社ミナモ代表。
2011.01.12


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