ケニアの携帯電話事情 (1)
2011-04-26
皆さま、ケニアからこんにちは。
さて、今回のコラムではケニアの携帯電話事情を取り上げたいと思います。2010年に行われたケニア国勢調査では、63.2%の世帯が最低1台の携帯電話を所有しているという結果が出ました。ケニアではインフラの遅れもあり、固定電話より携帯電話の方が普及しています。そして、日本のみなさんの夢を壊すようで申し訳ないのですが、あのマサイ族も多くの人々が携帯電話を所有し、サファリのど真ん中で電話しているのです。
ケニアで主流の電話会社はVodafoneが40%を所有するサファリコムとBharti Airtelが80%を所有するエアテルという2社です。他にオレンジケニアやユーという会社もありますが、携帯に関して言うとあまり後者2社は普及していません。表にするとこのようになります。
データが2009年で少々古いのですが、Airtelは日本で言うとソフトバンクのような会社で安い電話料金をうたい、派手に広告をしていますので、2012年4月現在では1位と2位の差はもっと縮まっているはずだと思います。
ケニアでは基本的に電話はプリペイドです。後払いにもできますが、申し込みに色々な書類が必要なこともあり、あまり普及していません。また、後払いだと踏み倒す人も多そうなので、電話会社としてもプリペイドの方が都合がよいのでしょう。
プリペイドカードは10シリング(約10円)~1000シリング(約1,000円)のものがあり、カードを購入します。カードのスクラッチ部分を削り、その番号を入力すると入金される仕組みになっています。
ケニアの携帯電話で個人的に「進んでる!」と思うことが数点あります。
1)携帯電話自体はSIMフリーなので、全てのキャリアに対応しています。電話とSIMカードは別々に購入します。電話機も安いものは1,000円以下で買えます。(SIMカードは電話番号情報等が入っている小さなカードで携帯電話の中に入っています。日本の携帯電話はSIMロックがかけられているので、他社のSIMカードを入れて使うことができません)。
2)デュアルSIM対応の携帯電話があります。これはSIMカードを2つ入れられる携帯電話で、日本で言うなら1つの電話にドコモとAUのSIMカード両方を入れて使うことができるものです。ケニアでも同じキャリア同士だと通話料が安いため、相手によってSIMを使い分けているのです。
3)携帯電話オペレーターは、パソコン用のモバイルインターネットも提供しています。USBタイプのモデムが2,000円~3,000円程度(日本で売っているものと品質は変わりません)。このインターネットも携帯電話用のプリペイドカードで入金できるのです。SafaricomやAirtelのモデムならケニア中、全都市でインターネットが利用できます(あまりへんぴなところだと電波が届かないこともあります)。とっても便利!
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