ノルウェーの学生はパソコンがノート代わり
2011-06-07
カチャカチャカチャ。
静かな教室に鳴り響く、キーボードの音。
ノルウェーの高校生や大学生は、シャーペンでノートにメモをするのではなく、ノートパソコンですべてを記録して勉強をする。
高校ではパソコンが無償提供
高校生ムラちゃんの通うオスロのとある高校では、大半の高校生がWindowsを無償で提供してもらう。ムラちゃんのクラスは音楽専攻ということから、クラスメートたちはMacを使用。Macの場合は毎年850クローネ(約1万2700円)を払わなければいけないが、政府から同額の援助金が支給されるので、無償に等しい。
ムラちゃんの高校に限らず、ノルウェーでは多くの高校で同じ制度が適用されている。
高校で期末試験がある時も、試験問題は生徒所有のパソコン画面に表示される。「カンニングがしやすいのではないか?」とムラちゃんに聞いたところ、「先生たちが後ろで試験監督をして見張っているから、カンニングはほぼ不可能」とのこと。
大学の講義中、大学生たちはFacebookを覗き込む
大学では期末試験でパソコンはあまり使用しないが(レポートはパソコンで提出)、講義やセミナー中にノートパソコンを持ち込む習慣は変わらない。疑問に思うことがあると、教授も学生もすぐにパソコンで情報収集をし始める。日本の教授たちであったら、学生が目の前でパソコンを開いてカチャカチャし始めたら、嫌がるのではないだろうか?
大講堂での講義は、後ろの席に座って教室を見回すと面白い光景を見ることができる。ノートパソコンを開いている学生の多くの画面が「青い」。Facebookを見ているのだ。日本ではmixiやTwitterが人気だが、ノルウェーではFacebookが圧倒的な支持を国民から得ている。授業中にFacebookで友だちのアップデートを見たり、「つまらない授業だ」とつぶやく学生は多い。
高校時代からパソコン使用が義務付けられているノルウェー人を見ていると、「もし、私も若い時からこれだけパソコンを使用していたら、もっとパソコンに強くなっていただろうか」と、多少羨ましい思いがしなくもない。
カチャカチャカチャ。
いつか、大学生たちがパソコンを教室に持ち込み、後ろの席から覗くとFacebookの青い光景が広がる、という日は日本にもくるのだろうか?
鐙 麻樹のプロフィールはこちら