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La Marseillaise.

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(仏・オランド大統領と共に抗議デモに参加する各国首脳陣)


 2015年1月7日、パリで痛ましいテロ事件が起こりました。
 私は日本にいたのですが、お正月気分が抜けない新年に突如飛び込んで来た衝撃のニュースに、大変なショックを受けることとなりました。
 犯人のイスラム教徒の男は射殺され、事件は一応の幕引きとなりましたが、3日間で17名もの罪無きフランス人の尊い命が失われ、フランスの過去50年間における最悪のテロ事件となりました。
 そもそも、なぜこのようなことが起こってしまったのでしょうか・・・。
 私は、今回の事件はある程度予想できたことだったのではないかと思っています。
 近年、現地メディアはヨーロッパのイスラム教徒を「トロイの木馬のような脅威」と語り、警告を促してきました。
 イスラム教は「人間はおろか、動物の命を奪うことさえ許されない」と教えていますが、実態はその思想とはあまりにもかけ離れていると言えるでしょう。
 気に入らないことを書いた報道機関に対してテロを起こすなど、まさに前代未聞の蛮行です。
 この蛮行には断固として戦わなければなりません。
 今月11日には、フランス全土で370万人が大規模なデモを行ない、世界各国の首脳陣数十名が160万人のデモ隊の先頭に立ち、抗議しました。
 またフランス議会では、議員全員でフランス国歌『La Marseillaise.』を合唱し、仏大統領は「これは文明戦争である」と明言しました。
 今、彼らは言論の自由を守り、卑劣なテロに抗議するため、銃ではなくペンを持って戦っています。

 私もこういう仕事をしていると、恨まれたり、謂れのない誹謗中傷を受けたりという事があります。
 それは、常に覚悟の上ではありますが、それでも顔も名前も出さずに誹謗中傷のみを行う名無しの亡霊は卑怯だと糾弾せねばなりません。
 彼らは自らの顔を出し、名前を名乗って自分の意見を言うという当たり前のことすらできないのです。
 そういう人間が暴走すると、こういったテロを引き起こす事に繋がるのではないでしょうか。
 ネットに匿名で書き込み、炎上させて喜んでいる人々というのは、まさにその予備軍であり、すでに歪んだ正義感を振りかざした『ネットテロ』を起こしはじめています。
 これだけでも、卑怯な亡霊であるわけですが、ましてや実際にテロを起こし、銃殺するなどということが許される訳がありません。

 報道というのは、常に誰かを傷つける側面を持っているものです。
 表現の自由もまた然りでしょう。
 誰かを傷つけ、誰かにとって都合の悪いことを言うからこそ、それを統制しようとする人間が現れるのです。
 しかし、その権利を放棄することは許されません。

 今回テロにあった、フランス紙『シャルリー・エブド』はこれまで果敢に戦ってきました。
 自らの命が狙われていることを知りながら、銃ではなくペンを持って戦い続けることの意味を、私たちは今一度考える必要あるでしょう。
 そして、イスラム過激派というテロ集団に向かって悲しみを背負って立ち上がった多くのフランス人たちの姿を我々は見習わなければなりません。
 昨年、アメリカのソニー・ピクチャーズが映画『The Interview』(原題)の公開を巡って、北朝鮮からサイバーテロや脅迫を受ける事件がありました。
 ソニー・ピクチャーズは映画の公開中止を発表しましたが、米・オバマ大統領は「テロに屈し、公開を中止するべきではなかった」と声明を発表し、北朝鮮に対しすぐさま報復措置を取りました。
 その後、ソニー・ピクチャーズは映画公開を決め、爆破予告を受けた映画館には多くの観客が足を運びました。
 彼らはテロと戦い、打ち勝ったのです。
 その一方で、これが日本だったらどうだったろうと私は考えてしまいます。
 残念なことですが、恐らく映画はお蔵入りとなり、風刺週刊誌のために多くの人々が戦うことはないでしょう。
 今回のデモにも、安倍首相をはじめとした日本政府要人は参加していません。
 こういった有事こそ、日本政府は近隣諸国や国際社会に対して、日本はテロを絶対に許さないのだと力強くアピールする絶好の機会だったのではないでしょうか。

 私は、フランス人に今回の一件について話を聞きました。
 彼らは「絶対に許せない」、「私たちは表現の自由の為に戦う。私たちもシャルリーも、これまで通りイスラムを批判するだろう」、「私たちがテロリストに屈することは、この先100年経ってもない」と力強く語りました。
 中でも印象的だったのは、あるフランス人男性が「シャルリー・エブドのやっていたことは報道であり、ユーモアだ。一部で、彼らをレイシストだという人間がいるがそれはとんでもない。そもそも、差別はよくないという人間に限って、人をレイシストの差別主義者だと言って差別する。イスラム教徒のアイデンティティーは根底に破壊活動というテロ思想があり、犯罪集団になってしまっている。彼らは史上初めてえんぴつに攻撃し、文明戦争を起こした。表現の自由、民主主義、与えられた権利、これらを持ち合わせ、まともな教育を受けた世界中のすべての人々はこれに怒り、悲しんでいる。イスラム教徒はこれから必ず報いを受ける」と話してくれたことです。
 ですが、その一方で日本人に話を聞くと「フランス紙側にも問題があったのではないか」、「殺される程のことを書いたのだから仕方がない。それだけのことをしたのだ」、「人を殺したり、無関係の人まで巻き込むのは悪いけれど、犯人にも同情する余地がある」等という意見が多かったことに私は愕然としました。
 もし彼らがイスラム教徒でないのなら、表現の自由やジャーナリズムというものについてもう一度勉強させるべきです。
 考えてみれば、最近は風刺やユーモアという言葉も日本では聞かなくなってきました。
 臭い物には蓋をして、気に入らない物は炎上させ、他人に配慮と自主規制を求める。
 その結果が、今の日本の閉塞感ではないでしょうか。

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(風刺週刊誌『シャルリー・エブド』に掲載された風刺画)


 シャルリー・エブドは14日、同紙の最新号を予定通り発売しました。
 今回のテロ事件をさっそく風刺し、フランス全土における大規模デモに感謝を示したほか、イスラム教において描くことそのものがタブー視されている、預言者・ムハンマドが「わたしはシャルリー」と書かれたカードを手に涙する風刺画を一面に掲載したのです。
 これはまさに、「我々はテロには屈しない」というシャルリー・エブドからの宣戦布告であり、テロリストに対して向けられた強烈なメッセージとなりました。
 もし今回、同紙が最新号の発売を見送っていたら、或いはイスラムについて掲載しなければ、これはテロリストに対する敗北宣言とみなされ、今後テロリストたちは破壊活動によって要求を通そうとしていたことでしょう。
 そして、多くのフランス人が発売前の早朝から長蛇の列に並び、預言者の風刺画が表紙に描かれた同紙を誇らしげに手にしていました。
 彼らもまた、同紙を買うことによってシャルリーを支持したのです。
 多くのフランス人が、改めてシャルリー・エブドのジャーナリズム精神を支持した以上、例え15億人のイスラム教徒が怒ろうとも、誰も彼らの勇気ある行動を止めることはできません。
 何かと戦うといことは、大きな勇気がいることです。
 ですが、その勇気すらないのなら、せめて勇気ある人々を批判するのではなく、亡霊は亡霊らしくただ沈黙しているべきです。
 テロの犠牲になった編集長を批判し、テロを起こした犯人に同情するなど、恐ろしい精神構造です。

 今、パリを中心に世界中の人々に悲しみが広がっています。
 私も、今回のおぞましいテロ事件に大変胸を痛めています。
 ですが、私たちは言論の自由と、風刺とユーモアに満ちた批判の精神を守る為、悲しみを怒りに変え、戦わなければなりません。
 決してテロには屈しない、常に正義はこちら側にしかないのだということを世界中が今こそ示すべきです。
 そして同時に、「ペンは剣よりも強し」というのは幻想に過ぎないことも自覚しなければなりません。
 銃からペンを守るには、ときに銃を持って制しなければならないことが必ずあるのです。
 今や「テロリストは殺すしかない」というのが国際社会の共通認識です。
 日本がこれから起こる文明戦争に勝利するためには、時に武力が必要になることを我々は今から覚悟して必要があるでしょう。


 今回のテロで亡くなられた、シャルリー・エブド編集長以下、16名のフランス人に哀悼の意を捧げます。

『JE SUIS CHARLIE』(私はシャルリー)

Kisaki Tsujimoto


2015.01.16
辻本貴幸


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