「情報は速いが、真実には時間が必要」 〜メディア・情報リテラシーでフェイクニュースへの免疫力を高める
前々回と前回において、感染力の強い病気への対策を参考にして、フェイクニュースに強い社会を構築するためになにが必要なのかについて考えてみました。そして、感染力が強い病気の隔離・除去にあたるものとして、ドイツのフェイクニュー...
スイス
「情報は速いが、真実には時間が必要」 〜メディア・情報リテラシーでフェイクニュースへの免疫力を高める
前々回と前回において、感染力の強い病気への対策を参考にして、フェイクニュースに強い社会を構築するためになにが必要なのかについて考えてみました。そして、感染力が強い病気の隔離・除去にあたるものとして、ドイツのフェイクニュー...
スイス
公共メディアの役割 〜フェイクニュースに強い情報インフラ
前回、フェイクニュースの具体的な対処について、感染症の流行防止対策を参考にして三つの側面に分け、その一つの「病気の徹底排除と発生場所の隔離」に当たるフェイクニュースの対策として、フェイクニュースの削除やブロックを法を介し...
スイス
フェイクニュース対策としての法律 〜評価が分れるドイツのネットワーク執行法を参考に
世界で問われるフェイクニュース対策 国内外で政治や外交を翻弄したり、社会背景の異なる人々の間の溝を広げるフェイクニュースは、ソーシャルネットワークが全盛の現代において、制御が難しい非常にやっかいな代物です。このため、これ...
スイス
東ヨーロッパからみえてくる世界的な潮流(2) 〜移民の受け入れ問題と鍵を握る「どこか」派
移民、難民の受け入れについて 前回「東ヨーロッパからみえてくる世界的な潮流(1) 〜 「普通」を目指した国ぐにの理想と直面している現実」でみてきたように、東ヨーロッパ諸国では、EUに加盟以降、人口が減少の一途をたどってお...
スイス
東ヨーロッパからみえてくる世界的な潮流(1) 〜 「普通」を目指した国ぐにの理想と直面している現実
世界の潮流や問題が凝縮してみえる東ヨーロッパ EUの旧社会主義圏の国々の動向や政治的リーダーの発言が、近年たびたび、西側の人々を戸惑わせています。西側諸国では、東ヨーロッパについての報道が比較的少なく、全体の状況や背景が...
スイス
現代社会の就労環境と「女性の仕事」の将来の行方 〜ドイツ語圏を中心に
ドイツ語圏での事情と国際比較 前回の記事「謎多き「男女平等パラドクス」 〜女性の理工学分野進出と男女同権の複雑な関係」に引き続き、ジェンダー・パラドクスの問題について、今回はドイツ語圏の事例をあげながら、さらに考えてみた...
スイス
謎多き「男女平等パラドクス」 〜女性の理工学分野進出と男女同権の複雑な関係
男女同権が進む国のパラドクス 理系分野への女性の進出を奨励しているのに、実際に進む女性の割合がいまだに少ない。日本でも欧米でもこんな話をよく聞きます。しかし、男女同権が進んでいる国の方が、男女同権があまり進んでいない国よ...
スイス
ダイヤモンドが将来も輝くために必要なものは? 〜お金で買えないものに寄り添うマーケティング
「輝きを失うダイヤモンド」 今年早々、こんな新聞の見出しが、目にとびみました(Gallarotti, 2018)。ダイヤモンドと言えば、その輝き同様に高価な価値が不変にあるもの、となんの疑いももたずに考えていましたが、記...
スイス
自分の分身が時空を超えて誰かと対話する時 〜「人」の記憶をもつロボットと人工知能の応用事例
空想の世界のものだった「分身」が現実に 突然ですが、ちょっと想像してみてください。自分の分身ができて、めんどうな仕事をやってくれるだけでなく、自分の代わりにほかの人に会ったり、やりとりをするようになったら? このような話...
スイス
「悩める人たちのためのホットライン」が映し出すドイツの現状 〜お互いを尊重する対話というアプローチ
今月初め、チューリヒである異文化間コミュニケーションについてのワークショップに参加しました。ワークショップの担当者は、対話を通じ異なる意見や文化の人々を橋渡ししようとする地道な活動が注目され、昨年からドイツや世界のメディ...
スイス
デジタル化により都市空間はどう変化する? 〜バーチャルと現実が錯綜する「スマートシティ」の未来
都市空間はデジタル化に伴い大きく変容している、とチューリヒ工科大学の都市計画専門家のクリスティアンセKees Christiaanseはいいます。デジタル化のよる都市空間の変化と聞いてわたしの中で端的にイメージされるのは...
スイス
現代人の深層心理を映し出す 〜LSDをめぐる最近の議論や期待感から
LSDに期待を寄せる社会の心理 前回「20世紀に封印され21世紀に期待を寄せられる化学物質」に、現時点で知られるLSDについての最新の医学的知見について整理しましたが、LSDについては、その医学的効果や健康への影響、また...
スイス
20世紀に封印され21世紀に期待を寄せられる化学物質
スイスにトレンド研究で有名なGDI(Gottlieb Duttweiler Institute)というシンクタンクがあるのですが、そこが今年3月に予定している第14回ヨーロッパ・トレンド・デーという会合のプログラムを見て...
スイス
共感にゆれる社会 〜感情に訴える宣伝とその功罪
昨今、「共感」という言葉が、社会背景の異なる人々が共存や共有するためのキーワードとして、世界的に飛び交っています。実際、人々の共感は、世界的なシェアリング・エコノミーの展開やヨーロッパでの大量の難民受け入れの背景として大...
スイス
たかがあいさつ、されどあいさつ 〜スイスのあいさつ習慣からみえる社会、人間関係、そして時代
今回は、スイスのあいさつの仕方について注目します。たかがあいさつ、と思われるかもしれませんが、スイスはほかのヨーロッパの国々と比べてもあいさつに手間や時間をかけて丁寧にする習慣があり、後述するように数年前には、 中学での...
スイス
ドイツの外食産業に吹く新しい風 〜理想の食生活をもとめて
時間をかけずにおいしくしかも健康的で、環境や社会面でも問題がないものを食べたい、しかもできるだけ安価で。前々回(「世界中で消費される元祖インスタント食品 〜19世紀の労働者の食生活を改善するためのマギー(魔法?!)のスー...
スイス
便利な化学調味料から料理ブームへ 〜スイスの食に対する要望の歴史的変化
前回、早く簡単にできて安価なスープの素や液体調味料が、労働者の栄養状態を改善するために19世紀末以降スイスで開発されたという話をご紹介しましたが(「世界中で消費される元祖インスタント食品 〜19世紀の労働者の食生活を改善...
スイス
世界中で消費される元祖インスタント食品 〜19世紀の労働者の食生活を改善するためのマギー(魔法?!)のスープ
今回から3回の記事で、19世紀から現代にいたるまでの食品や理想の食生活の変遷について、転機をもたらした具体的な食品をとりあげながらみていきたいと思います。初回の今回は、19世紀の産業化時代にスイスで開発された元祖インスタ...
スイス
スイスで考えるペットと共存する社会のしくみ 〜飼い主、ペット、近隣の住民それぞれに課せられる義務と役割
「体内にマイクロチップを埋め込む」と聞くと、少なくとも2018年を迎えたばかりの現時点では、得も言われぬ恐怖感を覚える人が多いのではないかと思います。しかしスイスでは、すでに10年前から、マイクロチップの体内埋め込みがす...
スイス
地域社会に潜む郵便事業の未来 〜フランスの郵便配達員の新しいサービスを例に
今年最後の記事となる今回は、いつにもまして楽観的な想像力をたくましくさせ、新年以降の未来について思いをめぐらしてみたいと思います。具体的には、スイスの郵便事業の状況やフランスの郵便配達員が行っている新規ビジネスの事例をも...
スイス
人出が不足するアウトソーシング産業とグローバル・ケア・チェーン
現在、世界中で共通して、社会でその必要性が広く認められている仕事なのに、慢性的に人出が不足しているという職業があります。子どもの保育・預かり、高齢者の世話、家事代行、荷物の配達業務といった、ケアやデリバリー分野のアウトソ...
スイス
経済的豊かさと予防接種率が反比例? 〜ドイツ語圏で多様化する健康観と社会への新たな問い
今回は、この1年の報道を振り返って、テーマを掘り下げる試みの第二弾として、ドイツ語圏の医療分野で、今年印象に残ったテーマについて取り上げてみたいと思います。それは、予防接種にまつわる最近の状況です。 予防接種といえば、日...
スイス
スイス人の4人に一人はマルチローカル 〜複数の場所に居住する人々とその社会への影響
年の暮れが押し迫るこの時期は、この1年を振り返る報道が多くなってきますが、わたしも、今年のスイスやドイツ語圏での報道をふりかえって、個人的に強く印象に残った、居住、医療、サービス業界(家事や介護を含む)という三つの分野の...
スイス
ヨーロッパの自治拡大の動きと共栄をさぐる道 〜南チロルの歩みと現状を鑑みながら
今年10月はじめに、スペイン北東部のカタルーニャ州では、スペインからの分離独立の是非を問う住民投票が行われ、同月の下旬には、イタリア北部のロンバルディア州とベネト州でも、自治権拡大の是非を問う住民投票が実施されました。前...
イタリア