フランスは「空前の日本ブーム」国際見本市における日本勢のパワー
2011-02-14 [EntryURL]
こんにちは。青木千映です。
フランスからコラムをお届けすることになりました。皆様、どうぞ宜しくお願いいたします。
さて、”空前の日本ブーム”と言われているフランス。第一回目は、年始の展示会シーズンに合わせて、国際見本市、イベントにおける日本勢のパワーについてお伝えしたいと思います。
1月のパリは、トレードショー(展示会・見本市)満載です。もちろん1月だけではなく、1年を通して国際見本市が開催されています。
そのなかで、世界のライフスタイル業界をリードするといわれる欧州最大のインテリア・生活雑貨の総合国際見本市”Maison & Objet”(メゾン・エ・オブジェ)。年に2度、パリ郊外、ロワシ―空港に近い国際見本市会場で、1月と9月に開催されます。特に1月は、年々日本の出展者が増加しており、今年は過去最大の数字だそうです。
国際見本市 ”Maison & Objet” 会場内の様子
国際見本市 ”Maison & Objet” 会場内の様子
国際見本市 ”Maison & Objet” 会場内の様子
ライフスタイルやファッションを、欧米から取り入れることに集中した10年前の日本に比べ、ここ4,5年、今度は逆にそれらを世界に発信しようとする日本に変わってきたのは明白ですね。同時にフランスでは、特にマンガやアニメ、コスプレなどのサブカルチャーは、日本を象徴する文化だと賞賛され、日本文化に対する関心は年々高まってきているのです。
そんななか、日本からの出展品が注目されているのを肌で感じます。
数ある日本ブースのうちのひとつ。”J STYLE +”
数ある日本ブースのうちのひとつ。”CrafTec”
出展する側も、ただ出展するのでなく、欧州の市場もふまえた価格設定や、市場性の有無、欧州のライフスタイルにも通用するラインナップの展開… 準備段階からやるべき課題はたくさんあります。
以前、フランスのバイヤーがオーダーしたにもかかわらず、結局その後の日本からの連絡が途絶えてしまったとか、請求していたカタログが届かなかった…とか、非常に残念なケースも耳にしたことがあります。そんな事態を避けるためにも、出展側として十分な準備をして臨みたいものですね。
今やkawaii、Shibuya & Harajuku、Tokyo, Kyoto, Bento…等は一般に浸透し、これからますます日仏の距離が狭まっていく勢い。
フランスの日本関係のイベントでは、JAPAN EXPO が有名ですが、漫画やアニメ、ゲーム、コスプレに特化したイベントも、次々に各地で生まれています。
2月上旬には、パリ市内のエクスポ見本市会場(ポルト・ドゥ・ヴェルサイユ)で、PARIS MANGA というイベントに行ってきました。
熱気であふれる会場。パリ郊外で行われるJAPAN EXPO よりも年齢層が低い?
親子連れが目立ちました。
日本のブース
制服とランドセルのファッションショー
JAPAN EXPO よりも小規模ですが、とにかく人が溢れていて、こんなにたくさんのフランス人が、このようなイベントに足を運んで週末を過ごしているのだと思うと、日本人の想像以上のところで「日本」というワールドが出来上がってきている気がします。
一方で、日本各地では、ものづくりの伝統や技術・技能が育まれ、また独特の美意識と知恵に裏打ちされた生活が営まれており、そしてJAPANブランド育成支援事業など国が力を入れて支援しています。しかし、地域特有の伝統工芸として発信した後、フランスでそのまま受け入れられるか?というと、そこにはまだまだ解決すべき問題点が残っています。
本当に知ってもらいたい日本の一面は、実はまだまだなかなか上手く伝わっていないのが現状なのではないでしょうか。フランスのテイスト&ライフスタイルにあったもの、且つ、日本製、日本デザインと強調しすぎることなく、結果的に「粋で洗練されたちょっとステキなもの…気がついてみたら、日本製、あるいは日本のデザインだった…」というものが、
これからますます受け入れられていくのではないかと感じています。
今後の行方が楽しみです。
*参考記事:
http://www.asahi.com/housing/news/TKY201101250129.html
*参考リンク:
繊維・アパレル・アクセサリーに関するトレードショーのリスト
Maison & Objet メゾン・エ・オブジェ
PARIS MANGA