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映画「フクシマ、モナムール Fukushima, mon Amour」 〜ドイツと日本をつなぐ眼差し

2016-05-15 [EntryURL]

ロゼリー・トーマスと桃井かおり主演のドイツ映画「フクシマ、モナムール Fukushima, mon Amour」の上演がドイツで3月10日からはじまりました。この映画は、今年2月に開催された世界3大映画祭の一つとされるベルリン国際映画祭にも出品され、国際アートシアター連盟賞(CICAE)など三つの賞に輝いたこともあり、ドイツの主要メディアでとりあげていないものを見つけるのが難しいほど、今年2月から4月にかけてメディアで大きな話題になりました。スイスでもメディアで取り上げられ、各地での上映がはじまり、わたしも先月4月に地元の映画館で鑑賞することができました。
この映画は、昨年2015年初夏に、原発事故地点から11キロ離れた年頭に避難解除されたばかりの被災地と、12キロ離れた避難所を中心に数ヶ月にわたり撮影されて、作られたものです。日本人もほとんど立ち寄らない場所に、あえてドイツ人が赴いて長期の撮影に臨んだことに、好奇心をくすぐられた人も多かったのでしょう、ドリス・デリエ監督に映画を作った背景について質問するインタビュー記事も多く出されました。これらのインタビューに目を通していくうちに、監督自身が映画に、二つの方向に向けて思いを込めていたことがわかってきました。そして、原発についてはとかく日本では国内の議論や視点に集中しがちですが、監督の指摘によって、思ってもいなかった方向に視界が開かれた気がしました。
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「映画フライヤーの一部」


この映画に関しては、映画祭の賞の受賞の時には日本でも注目されたようですが、それ以後はほとんど報道されておらず、日本国内の上映予定も未定のようですが、被災地を舞台にしたドラマをあえて作成して、ドイツ人が一体なにを伝えようとしたのか、知ってもらえる機会になればと思い、今回、監督自らが語る映画の(あらすじではなく)背景や、そこに込められた思いを、ご紹介したいと思います。
<作品ができた背景>
ドリス・デリエ監督は、今月末に61歳になるドイツでは著名な女性監督で、1985年に東京の映画祭に参加するため初めて来日して以来、25回も来日している親日家であり知日派です。日本を題材にした映画もこれまで3本撮っており、2008年に公開になった「HANAMI」では、ドイツ映画賞銀賞を受賞しています。
デリエ監督の今回の映画構想は、原発事故直後にさかのぼります。原発事故以降日本に住んでいた多くの外国人が出国していきました。特にそれ以前から原発の危険意識が高かったドイツ人には、その傾向が強かったようです。ドイツでは日本全国が放射能汚染された危険地域であるかのような扱いであったといいます。そのような状況に監督は憤りを感じ、何が起きたのかまず自分の目で確かるべく、事故から半年後の秋に、日本を再訪します。 そして当時立ち入りが禁止されていた避難地区にも、ガイガーカウンターを片手に許可を得て足を踏み入れ、何が起きたのかを目の当たりにして驚愕したといいます。同時にその惨状をみながら、自分になにか伝えられることができないかと考え始めたといいます。
そして2015年5月、被災の痕跡が生々しく残る南相馬市や仮設住宅敷地で、撮影が開始されました。映画は、登場主演人物こそ架空の人物ですが、舞台となる主役二人が住むことになる家屋やまわりの風景はすべて実際のもので、また仮設住宅に居住する方々にも出演してもらい、事実に寄り添うように撮影されていきました。桃井かおりさんが芸者という設定も、外国人好みの空想の産物ではなく、実際に釜石の芸者さんの話が下敷きとなっており、映画の終盤に登場する3人の若い芸者さんは、その芸者さんが伝授した歌と踊りを披露しています。
<日本へ向けられた思い>
気晴らしの場はもちろん、食堂すら1件もない避難解除地区と仮設住宅地区での数ヶ月に及ぶ撮影が、外国人撮影スタッフにとって骨の折れる難行であったことは容易に想像されますが、それでも映画をあえてとろうとする監督には、映画を通じて特に語りかけたいと思う人たちが当初から念頭にありました。それは、まずは日本の被災者たちでした。
「私にとって重要だったのは、映画の最後になにかなぐさめになることを提供することでした。」「ドイツ人と日本人の間の交流から」ある種の「軽快さが生まれ」、交流を通じて「お互いにその痛みを越える」ことができる、そんなことを、トラウマを抱える日本の人々に示したかった、と監督はインタビューで語っています。そして、どんなにつらいことがあっても、ひとつ「すばらしいことは、わたしたちはお互いのなかに痛みやつらさをみつけることができれば、お互いに本当につながり合うことができる、ということです。このような深い絆は、幸せや喜びよりも、むしろつらさをわかちあうことでより強くなるように思います。」とも言っています。(2月15日付のNDRでのインタビュー)このような思いを日本人に示し、また原発事故の被害者に生きる勇気を贈りたい、という気持ちが映画に託されました。
<ドイツへ向けた思い>
日本から1万キロ離れたドイツでは、福島の事故をきっかけに、それまでのエネルギー政策が大きく転換され、脱原発が決定されました。福島の事故をきっかけに脱原発を政府が公式表明するという、ドイツとスイスの劇的な状況変化について、ドイツ語圏ではよく「フクシマ効果」と表現されます。福島の原発事故は、少なくともドイツやスイスにおいて、政策大転換に決定的に重要な役割を果たしたといえます。
デリエ監督はこのような事実関係を、すこし違う観点からとらえ、独特の言いまわしで表現します。「事故によって脱原発あるいは、少なくともそう向かおうと道を歩むようにな」ったわたしたちドイツ人は、「日本と深い関係に」なったのであり、福島の事故は、日本だけでなく、わたしたちのものでもあるのであり、日本とドイツは原発事故を通じて繋がったと言います。しかし、そうでありながら、ドイツがつながっているはずの片方の先端である、日本の原発事故のその後の状況、汚染地域や除染の進捗状況、また今も避難所で生活している人々の様子などは、ドイツ人にとってあまりよく知られていません。しかしもっとそのことを知る必要があるのではないか、そして「わたしたちが少しはそのことを記憶できるよう」でありたい、そんな思いから、知日派である監督が、ドイツと日本を繋ぐ架け橋となるような作品を「ドイツ人に送ろう」として、この作品になりました。(Vip.deの3月18日のインタビュー)
この映画の海外用タイトルは「フクシマ、モナムール Fukushima, mon Amour」ですが、ドイツ語のタイトルは「福島からのあいさつ」です。原発で繋がったドイツ人に対してフクシマから「あいさつ」を送る、そんな思いをこの映画のタイトルにも託しているといいます。
この映画に関するドイツの主要メディアから地域紙まで目を通した20本以上の記事では、どれも好意的な評価があふれていました。また、上映がはじまって2ヶ月を経た5月半ばの現在でも、ドイツ各地(大都市だけでなく中小都市の映画館を含めて)で上映が続いており、動員数は増え続けています。監督のドイツの人へ伝えたかった思いは、ドイツでは順調に伝達されているようにみえます。
ちなみに、今年は福島の事故から5年であるのと同時にチェルノブイリの事故から30年後ということで、原発についての報道が多くされていますが、ドイツでは脱原発に舵をきってから5年の歳月を記念し、これまでの自身の脱原発の歩みを振り返る機会ともなっています。この5年の間で、精力的に再生可能エネルギーの開発に取り組み、原発は遅くとも2022年までに段階的に廃止する明確な計画を打ち出してきました。最終処分場も2031年までに決定される予定です。今年一般向けに、ドイツ連邦環境・自然保護・原子炉安全省がドイツのエネルギー政策の歩みと今後の展望をまとめて一般向けに発行した小冊子においても、紙面が大幅に占められているのは廃炉と最終的な廃棄処分の問題で、原発問題の関心が、廃炉後の次なる長期の国家的な計画の段階にすすんでいることがよくわかります。
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「ドイツ連邦環境・自然保護・原子炉安全省の脱原発計画 についての冊子の内容の一部」


一方、福島の原発事故以後、ドイツとほとんど同時に政府が脱原発の決定を政府が下したスイスでは、ここまではっきりした道すじには至っていません。最古の原発は2019年稼働停止することが決まりましたが、ほかの4基については、寿命に制限を設定していないため、 段階的な脱原発の今後の計画が明確になっていません。日本の原発事故のすでに2年後の段階でアンケート調査によると、事故直後と比べ環境意識や省エネ意識がかなり薄らいでおり、今後もその傾向が強まることが予想されます。デリエ監督の言い方を踏襲すれば、ドイツが原発事故以後に日本との「深い関係」をもったのに対し、スイスでは思ったより日本との関係が深くなかった、あるいは関係が、年月をへて薄れてきたと言えるのかもしれません。
話を映画にもどしましょう。監督は知日派であるとはいえ、日本に対し未だに異質と親和性両者の感情が同居していると言います。監督のこのような二つが相反する感情は、映画のなかにもにじみでているように思われます。一方で異質である日本の国やそこに住む人の生き方に、一定の距離を置いてそこでくり広がることを静かに見つめ、またその一方で、親和性を感じる人たちに、遠くドイツから共感の気持ちを示して、傷みを分かち合いたいと手を差し伸べようとする。「日出ずる国」(ドイツ語でも日本のことをよくこう表現します)へ、ドイツからの「あいさつ」とも読み取れる、暖かいまなざしがこめられた比類のない映画だと思いますので、機会がありましたら、日本のみなさんにもぜひみていただけたらと思います。
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参考文献及びサイト(文中に引用したサイトを含む)
—-映画に関するデリエ監督への主要なインタビュー記事
Doris Dörrie: Überleben in Fukushima, NDR.de, Interview, 15.2.2016.
„Alle Drehorte mit dem Geigezähler ausgemessen”, Die Welt, 6.3.2016.
‘Grüße aus Fukushima’: Doris Dörrie spricht über ihren neuen Film, Vip.de, 18.3.2016.
«In Japan bin ich immer noch ein Elefant», Züritipp, 23.3.2016.
Magdalena, Miedl, “Grüße aus Fukushima”: Wo die Angst unsichtbar lebt, Für ihren Film “Grüße aus Fukushima” hat Regisseurin Doris Dörrie direkt in der ehemaligen Sperrzone gedreht, Salzburger Nachrichten, 31.3.2016.
„Grüße aus Fukushima”: Liebeserklärung an eine Katastrophenregion, BZ, 6.4.2016.
—-映画についてのほかの主要な記事
Seelenreparatur im Sperrgebiet, Tagesanzeiger, 1.6.2015.
Walli Müller,”Grüße aus Fukushima” von Doris Dörrie, NRD,9.3.2016.
Zum Kinostart “Grüße aus Fukushima” Rosalie Thomass: “Japans Katastrophe ist auch unsere”, Abendzeitung. Das Gesicht dieser Stadt, 9.3.2016.
Bert Rebhandl, Doris Dörries Fukushima-Film Japan, schwarzweiß, FAZ, 11.3.2016.
Christina Tilmann, Grüsse aus Fukushima. Ein Elefant trinkt Tee, NZZ, 23.3.2016.
—-ドイツ連邦環境・自然保護・原子炉安全省の脱原発計画についての冊子
Bundesministerium für Umwelt, Naturtschutz, Bau und Reaktorsicherheit, Alle Aussteigen! 30 Jahre nach Tschernobyl: Was noch zu tun ist, 2016.
—-スイス人の「フクシマ効果」と環境意識低下について
Der Fukushima-Effekt ist verpufft, Tagesanzeiger, 24.2.2013.
Der Fukushima-Effekt ist verpufft, SRF, 11.3.2014.

穂鷹知美
ドイツ学術交流会(DAAD)留学生としてドイツ、ライプツィヒ大学留学。学習院大学人文科学研究科博士後期課程修了、博士(史学)。日本学術振
興会特別研究員(環境文化史)を経て、2006年から、スイス、ヴィンタートゥア市 Winterthur 在住。
詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。


株式会社スタイルカンパニー 代表取締役 原口(戦場ヶ原)舞 氏

2016-05-13 [EntryURL]

haraguchimai.jpg1974年生まれ東京都在住 もともと独立志向が強かったが、副業ではじめた国内転売。

その後2011年頃から個人輸入を開始し物販を事業としてはじめる。
輸出は2013年からスタート。全世界Amazonサスペンドを経験し、その後、法人設立。

現在はebay、Amazon、ネットショップと輸出、輸入にとらわれない販売形態に関心、視野を広げている。


2016年05月20日号 Amazon輸出 全世界サスペンドからの復活 無在庫販売のすすめ
2016年06月20日号 欧州Amazonの真実
2016年07月20日号 オワコン?!Amazon輸出
2017年08月05日号 2017年アマゾン輸出 変遷諸事情
2017年09月05日号 輸出ビジネスで突き抜けるために必要なこと
2017年10月05日号 輸出ビジネス 失敗体験と今後の展望

スイス人と鉄道 〜国際競争力としての時間に正確な習慣

2016-05-08 [EntryURL]

時間をきちんと守ることは、スイス人がとても大切にしている習慣の一つです。会議は、各自が時刻前に入室し、他の参加者一人一人を挨拶で一巡したあとに、定刻通りはじまります。私的な集まりでも時間厳守の習慣はほとんど変わらず、もしも5分遅刻でもしてしまったら、すかさず謝ります。スイス人の習慣について書かれた本にも、スイスでは約束の時間に正確に現れることが期待されており、遅れるとしても10分から15分が許される限界だと書いてあります。招待された時刻に「OX時以降」と書いてある場合も、遅れていいのはその時間から15分までで、それ以上遅れるのはホストに対して失礼になるとも書かれてあります。
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子供たちの世界も例外でなく、同じ原則が有効です。例えば、子供の誕生会の招待状に「2時から」と書いておくと、たいてい2時ぴったりに、インターフォンが鳴り、ドアを開ければ、招ばれているのが幼稚園生でも小学生でも、ほとんど全員が玄関に集合しています。お誕生日会だから招ばれた方も相当張り切っているというのもあるでしょうが、招ばれた時間に遅れないようにする、家から送り出す親の時間的な配慮も完璧なのでしょう。スイスでは子どものころから、時間を厳守する習慣が、家庭や社会環境のなかで、しっかり根付いている気がします。
これほどの時間に正確な習慣は、お隣の国々でも見当たりません。オーストリアやドイツ人のスイス人について記述でも、スイス人がいかに時間に正確であるかが強調されており、スイスでビジネスを成功させたければ約束の時間の15分前には来ているのが原則で、会合はあらかじめ設定されていた時間よりも早くはじまることも多い、と書かれています。
国民が時間に正確に行動するならば、国鉄もそれにこたえないわけにはいきません。ヨーロッパの鉄道は国をまたいで横断する長距離路線が多いこともあり、電車が遅れることが結構多いのですが、スイスはその例外で、電車の遅延はほとんどありません。そもそも遅延の感じ方が、ほかのヨーロッパ諸国とも異なっているようです。ヨーロッパの大多数の国では、鉄道の5分以内の遅れは「遅延」とはみなされません。比較的ヨーロッパの鉄道として時間に正確なオーストリア国鉄でも5分29秒、ドイツの国鉄では5分59秒の遅れまでが、「定刻」運行とみなされています。一方スイスでは、2分遅れから、駅構内で「遅延」のアナウンスがあり、正式に「遅延」とみなされるのは、ドイツよりも3分も早い、3分以上、と定義されています。
2014年にスイスで運行した全鉄道路線において、「遅延」がなかったもの(つまり遅れが3分以内だったもの)は、全体の87.7%を占めました。ほかのヨーロッパ諸国のように5分以内の遅れを「定刻」とみなせば、スイスは96.8%の電車が「定刻」運行をしたことになります。このような輝かしい運行実績で、スイスの鉄道は、自他共にみとめるヨーロッパ一、時間に正確な鉄道です。
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時間に正確なスイスの鉄道は、使い勝手もよく、今日においても国民からも強い支持を受けています。 人々の移動の手段として鉄道が使われる割合は、1970年代以降の自家用車の普及によって、一時期20%(1970年の時点)から14%(1984年)まで下がりますが、その後使用率が再び上昇してゆき、2014年には、21%まで増加しました。2007年のデータでは、年間一人当たりの鉄道乗車回数は47回で、年間の鉄道での移動距離は一人平均スイスが2103kmでした。鉄道乗車回数では日本の70回に 劣りましたが、年間平均移動距離では、日本の1976kmを超えて、堂々の世界一位でした。
鉄道網が世界でも最も高密度で、またバスや路面電車などほかの公共交通網の鉄道路線との連絡も充実していることも、鉄道が利用されやすい理由とされています。全公共交通網は、全国合わせる26397kmで、山奥も含めた全国で1kmおきにバス停が一つある計算になります。
遅れるよりもさらに乗客を困らせる、やっかいなストライキも、スイスの公共交通ではありません。1930年代に、スイスの主要な産業はストライキを放棄する代わりに、雇用者のパートナーとして新しい権利と機能を得て、協力的な関係を結ぶ、いわゆる「労使休戦」を雇用者側と結んだため、以後は公共サービスをふくめたほとんどの産業業界で、ストライキがほとんどなくなりました。
この点でも、スイスはヨーロッパで特殊な存在です 。ヨーロッパのほかの国では、今も多くの分野でストライキが認められおり、実際にストライキが強行される例はあとをたちません。ドイツで昨年までの数年間フラッグ・キャリアであるルフトハンザのパイロットと国鉄の運転手のストライキが非常に頻繁であったことを、記憶されている方もおられるかもしれませんが、比較データをみると、そんなドイツをはるかに上回るストライキ大国がヨーロッパにひしめいています。2005年から2012年のヨーロッパ諸国におけるストライキによって失われた1000人の従業員当たりの年間平均労働日数は、例えばフランス139日、デンマーク135日、フィンランド76日、スペイン66日で、ドイツの16日がわずかに思われるほど、ストライキ多発国が並んでいます。(ちなみにここで対象とされているの公共交通だけでなく全産業におけるストライキです。)ちなみにこの統計の下から2番目がオーストリアで2日、スイスは最下位でたった1日でした。
遅延がほとんどなく、ほかの公共交通機関との連絡もよく、ストライキで動きがとれなくなる心配もない鉄道は、自家用車を持たない人たちにとっては不可欠なインフラであり、環境や生活の質など多岐の分野に還元されるアメニティーです。以前紹介しましたが、昨年「ヘルプ・エイジ・インターナショナル」が発表した96カ国を対象高齢者が暮らしやすい国 のランキングで、スイスがトップであったことの理由の一つにも、スイス全土で社会参加をするための手段である公共交通機関へのアクセスが容易であることが、重視されていました。(収入の安定性、健康、雇用・生涯学習、社会参加支援の四つの分野で高齢者の住みやすさが国際比較されたこのランキング・データについての詳細は、「スイスのお年寄りの元気の秘訣?」をご参照ください。)
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時間の正確さに話をもどしましょう。『スイスの凄い競争力(原本タイトルSwiss Made)』(日経BP社、2014年)の著者であるジェイムズ・ブライディング氏は上海の美術館で行われた講演で、スイス人の時間への正確さは、色々な事象とつながっており、単なる習慣の問題ではなく、スイスの国際競争力を高める重要な要素であるといっています。
例えば、時間に正確であることを、決められた日程までに約束したことを成し遂げる能力でもあると理解すれば、期日はある種の契約だということになります。そして、そのような真摯な行為の積み重ねが、大きな信頼につながるとします。また、時間に正確なことは、見方を変えれば、すべての人が平等、公平だと想定する考え方だともします。平気で誰かが誰かを待たせることがまかり通り、それが社会の上下関係が暗示しているような社会は、歴史上も現在も少なくありませんが、すべての人が時間上公平に扱われる、時間厳守という考え方は、公平で民主主義的なスイスの社会や経済発展の根幹をなす合意であるとします。また時間に正確であるためには、 正確な時を知るしかけ、つまり精巧に時を刻む時計が必要となるわけですが、世界一級の洗練されたスイスの時計製作技術をもってこれが可能になりました。総じてブライディング氏は、スイス人の時間の正確さは、信頼 、公平、精密さとつながったスイスの文化的な特徴を示しており、国を経済的な成功を導く過小評価できない気質だと言っています。
ところでこのブライディング氏のスイス人の議論は、日本の鉄道に置き換えてみても一見、通じそうな気がします。スイスの鉄道をさらに上まわる時間の正確さを誇る日本の鉄道の実績は、「信頼」、「公平さ」、「精密さ」といった優れた日本の資質の土壌があってはじめて可能なものであるのでしょうし、同時にこれらの資質は、ほかの分野でも重要な国際競争力として大いに発揮されているに違いないからです。
また、都心部の過剰な乗客量や過密な電車本数、また頻繁に起こる自然災害にもかかわらず、正確さで世界に冠たる地位にある日本の鉄道産業自体が、すでに、スイスにおける精巧な時計のように、文句なしに世界で圧倒的なブランド力をはなつ全国展開の基幹産業であるともいえるでしょう。日本の鉄道の正確さや優秀さは世界的にもよく知られており、海外においても日本の新幹線や地下鉄に詳しい鉄道マニアは少なくなく、スイスで、プラレール(日本の鉄道モデル)を日本からわざわざ取り寄せる子どもに出会ったこともありました。今後日本への海外からの観光客がさらに増えてゆくと、おのずと日本の鉄道の評価と知名度はさらに高まってゆくのではないかと思われます。
しかし、どんな現在は圧倒的なブランド力やトップの座も、未来永劫、無条件で安泰であるわけではありません。ブライディング氏の指摘する因果関係は、別の見方をすれば、こう解釈もできるでしょう。日本やスイスの鉄道が、今後も名声と実績を維持し、国民や海外の人を魅了し続けられるか否かは、国民自身の時間を守るといった、一見地味で直接関係性がみえにくい日常生活で習慣化している優れた資質が、これからも国民の中で維持され続けるかにかかっていると。
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参考リンク・文献
—-スイス人のマナーや習慣について
Christoph Stokar, Der Schweizer Knigge. Was gilt heute?, Zürich, 4. Erweiterte Auflage, 2013 (Original: 2012).
Der Business Knigge für deutsche Unternehmer in der Schweiz, Handelskammerjournal, 17.6.2015.
—-スイスの鉄道の運行状況とそのヨーロッパ各国との比較
Anteil der pünktlichen Züge im Schienenfernverkehr in den EU-Ländern im Jahr 2012
Trotz intensiven Bauarbeiten SBB verkehren 2014 etwas pünktlicher, NZZ, 12.1.2015.
Pünktlichkeit (Bahn) ウィキペディア・ドイツ語版
Stefan Ehrbar, SBB warten verspätete Anschlüsse nicht mehr ab, Schweiz am Sonntag, 24.10.2015.
—-スイスの鉄道路線網について
Schweizer als Weltmeister im Bahnfahren, Swissinf.ch., 1.2.2010.
Öffentlicher Verkehr (inkl. Schienengüterverkehr), Statistik Schweiz, Schweizer Eidgenossenschaft (2016年4月15日閲覧)
Verkehr, Swissinfo, 15.3.2016.
Infrastruktur und Streckenlänge, Statistik Schweiz, Schweizer Eidgenossenschaft
Verkehr und Mobilität, Ansiedlung Schweiz (2016年4月15日閲覧)
—-ヨーロッパのストライキについて
Simon Gemperli, Schweizer Streikkultur. Das Unbehagen am Arbeitsfrieden, NZZ, 19.7.2012.
Die Illusion von der Streikrepublik Deutschland, 4.3.2015, Die Welt.
Michael Rasch, Streik der Lokführer. Auf dem Abstellgleis, NZZ, 19.5.2015.
Kerstin Bund und Kolja Rudzio, Streik. Wir zeigen’s euch!, Zeit Online, 8. 5. 2015.
Die Streikbrecher Europas, Tagesanzeiger, 21.10.2014.
—-ジェイムズ・ブライディング「なぜ我々はこんなに時間に正確なのか?」(上海の美術館での講演の抜粋)
James R. Breiding, Warum sind wir so pünktlich?, Basler Zeitung, 15.6.2012.

穂鷹知美
ドイツ学術交流会(DAAD)留学生としてドイツ、ライプツィヒ大学留学。学習院大学人文科学研究科博士後期課程修了、博士(史学)。日本学術振
興会特別研究員(環境文化史)を経て、2006年から、スイス、ヴィンタートゥア市 Winterthur 在住。
詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。


ワールドファースト ジャパン 株式会社
APAC最高商務責任者 ジェフリー・トーマス・アラン・パーカー氏

2016-04-29 [EntryURL]

parker-jeff以前はOFX(以前はOzForex)の執行取締役を務めており、直近ではB2Bビジネスをグローバルに成長させる責任を担う最高経営責任者(COO)の職に就いていました。

また、マッコーリー銀行の取締役として、投資およびアドバイザリー部門に勤務し、豊富な金融サービス経験を積みました。 准勅許管理会計士(ACMA)の資格を保持しています。



2016年04月30日号 World Firstのサービスの紹介と海外売上の受け取り法
2016年06月30日号 永年0円。うれしすぎるカスタマーサービスWorld First
2016年07月30日号 「為替」と「アマゾン輸出の今」

ネット輸出入ビジネスに関係ないのですが……

2016-04-21 [EntryURL]

4月14日と16日に熊本で大きな地震があり、いまも余震が続いています。
わたしの父方の実家が熊本で2月に祖母が亡くなりましたが親戚はたくさんいます。
幸いうちはみんな無事で家屋も大きな被害はありませんでした。

いきなりです。
いきなり非日常になってしまうこの恐怖は3.11で経験していますが、今回は不謹慎かもしれませんが3.11の比ではなく気が気ではありません。
わたしは小学校・中学校は和歌山城の隣の学校に通っていました。
いまは毎朝岸和田城に散歩に行っています。

3番目によく訪れている熊本城。
難攻不落の名城の凄惨な姿を見るとその被害の大きさがわかります。
叔父に電話すると「大丈夫たい。心配せんでよか」と言います。
なにか手伝うことあるかと思って熊本に行こうとしたのですが仕事しろと断られました。

改めてネットビジネスを生業としていると、いざとなったら時間も自由に作れるし、(サスペンドでいきなり売上がなくなることはありますが)商圏が大きくどこでも仕事ができるので、いきなり仕事がなくなるということはありません。
ネットビジネスの大きなメリットだと思います。

それはさておき。
わたしたちがすぐできることは募金です。かんたんにできるものもあるので積極的に行動したいです。
インターネット上でクレジットカードやTポイントの寄付ができます。
http://docs.donation.yahoo.co.jp/report/kumamoto.html

震災支援として募金を集めている団体がたくさんありますが、個人的にはあまりよくわからない団体にはしない方がいいかと思います。
集めたお金のほとんどを事務手数料としている団体があるようです。
熊本県に直接義援金を送ることもできます。
http://www.pref.kumamoto.jp/kiji_15416.html?type=top

義援金はすぐに分配されないという大きな問題はありますが、遠くにいるわたしたちができることは限られていますので是非活用したいです。

前述で「気が気でない」と書きましたが、3.11のときに寄付したときは完全に自己満足でした。自分の精神安定のためとか、自分はできることやったという感情でしょうか。
SNSでは「寄付しました」と明細をアップしていて非難されている有名人の方もいるようです。

今回の地震はぼくにとって第二の故郷ですので気が気でないのです。
行ったことがない、知り合いがいない、3.11の時とは違います。
ですが、どんな想い、どんな意図があろうとお金はお金です。

以前、仕事の打ち合わせである方に言われました。
「塚原さん、お金に色はついていないので」
自己満足でも自己顕示でもなんでもいいのでお金を被災地の方々に送りたいです。

とりとめもなく書いてしまいましたが、先々でわたしたちができることはまだまだたくさんあります。
熊本の商品を買うこともそうです。
そして、ネット輸出入ビジネスをしているわたしたちは、「熊本の商品・サービス」「売る・紹介する」ことができます。
日本ネット輸出入協会でもできることをやっていきたいと思います。


5000ユーロからの幸福 〜ドイツの経済学者による幸福研究

2016-04-20 [EntryURL]

幸福とは何が、幸福になるにはどうすればいいか、こんな話題は、哲学・宗教あるいは自己啓蒙本の独断場で、学術研究が入る余地のないテーマだと長く考えられていました。しかしドイツでは、社会や人間の幸福を最大化するという目標をかかげ、80年代かられっきとした学術的な課題として、社会学や心理学、神経科学を中心に実証的な研究が徐々にすすめられてきました。ドイツ、ニュルンベルク工科大学で経済学を教えながら、1990年代半ばから学際的な幸福研究に関わってきたカールハインツ・ルックリーゲル教授は、幸福についてのこれまでの研究成果をまとめ、明快で一般市民にもわかりやすい提言を続けており、その発言は近年、ドイツやスイスの主要な新聞やテレビでもたびたび取り上げられてきました。
経済学者からみて幸福とはどのようなもので、社会全体の幸福を最大化するにはどうすればいいというのでしょう?ルックリーゲル教授の主張は、哲学者の論じる茫漠とした幸福論や宗教書の教条的な幸福論とはかなりトーンが違い、新鮮な示唆に富んだもののように感じます。今回はそのルックリーゲル教授の示唆する内容を、近年の教授のメディアでの発言や論文からまとめて、紹介してみます。
人が個人的(主観的)に感じる心地よい安らかな心身の状態 Wohlbefindenと理解される「幸福」とは、二つの側面から成り立っているとします。日常感じる感情のような感覚的な側面と、満足・充足感といった自分で少し客観的になって認知・認識する側面です。実際の幸福を感じる状況や、関連する側面や環境について、学際的な研究が重ねれられてきた結果として、まず、幸福感(幸福と感じる・認識する情感)に大きく影響する要素を、以下の6つのカテゴリーにまとめます。
1.物理的かつ心理的な健康状態
2.自分が満足できる、自分を満足させることができるような仕事や行為・課題(有償の仕事とは限らない)
3.個人の一定程度の自由
4.心的態度(人生での目標や優先するものや感情マネジメントなど)、人生哲学、宗教心など
5.物質的な基本的欲求と生活を保障するにたる収入・経済的な安定
6.人的関係(社会関係)
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近年の研究で、とくに重要だとわかってきたのは、人間関係(社会的関係)です。パートナー、家族、友人、近隣の人や同僚などと十分な時間をもつことで、幸福感が保てたり、さらにその人たちになにかしてあげたり、頼りになることを示すことを通して、褒められたり評価されると、強い肯定的な気持ちになり幸福感が増します。二番目に重要なのは、心身の健康です。健康は至福感や肯定的な気持ちになるための基本となっているとします。一方、ここにあげた六つの要素のうち、重要性からみると最後にくるのが、物質的な基本的欲求と生活を保障するにたる収入・経済的な安定です。もちろん食事や住居などの最低限の基本的な欲求はみたされていなくてはならず、ある程度の収入があることは不可欠です。実際に、下から20%の低収入社会層には、不満が強くみられます。しかし人々が執着するほど、お金は、幸福感に影響しないことが徐々ににわかってきました。
お金と幸福感の関係は複雑で、簡単な相関関係ではあらわれません。世界中の西側諸国で1960年代以降、 一人当たりの収入は恒常的に増えてきているにも関わらず、それでも以前より幸福感が高まっているわけではないことも、お金と幸福感関係が簡単でないことを端的に示しています。2011年のドイツの幸福指標では、 収入があがるにつれて幸福感が相対的にある程度あがっていきますが、手取りの収入5000ユーロがピークで、それ以上になると収入が増えても、幸福感が上昇していませんでした。月に手取り5000ユーロの収入を得ること自体が決して簡単ではありませんが、それ以上の収入がある人がより幸福であるわけではなく、もっと幸福になるためには、良好な人間関係や、他人からフィードバックがある役割を演じるなど、お金では換算できない自身による労力の投資が必要になってくるということになります。逆に、5000ユーロの手取りがなくても、人間関係などほかの分野に自身が労力を投資することで十分幸福感を上げることが可能だということもできます。
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なぜお金が多くなることで、簡単に幸福は増えないのでしょう。その理由は、お金を多く所有すると人は通常、より欲も増えるためだと考えられます。物理的に基本的な欲求需要が満足されても、高い給料にもすぐになれてしまい、むしろ物理的な欲望は、いつもさらに上を目指そうとし、満足よりも、さらなる上と比較して不満足に陥るからのようです。総じて、幸福感は、お金が増えても一定以上は変わらず、お金との相関関係は概して薄いことは、近年では大学でも講義されるほど、学問の世界では広く知られる事実になっているそうです。
ただし個々人によって、何が幸福感を強くしたり、弱くしたりするかは若干異なります。また一般の傾向として、そして物質的なものやキャリアを重視する人々は、社会的な人間関係やそこでの貢献を人生の中心に考えている人よりも、相対的に、不満が強いという統計データもあります。
人々が幸福感を高めるために、政治や経済界、あるいは個人でできることがかなりあるとわかったことも、これまでの研究の成果です。具体的に社会における人々の幸福を最大化するため、どんな措置が有効なのでしょう。まず、経済成長イコール幸福の増加、というこれまで漠然と信じられていた方程式が、まちがいだということが学術的に証明された以上、政治は、経済成長を目標にせず、人が幸福感や満足感を高めることができる主要な分野に、政策を集中することが賢明な選択となったと言います。例えば、公平な教育機会は、社会での主体的な参加のための不可欠の前提であるため、健康分野同様に中心の政策課題となるべきだとします。
また、この先労働力の供給が減少すると予想されるドイツにおいて、企業にとっては良い人材を十分確保できるかが企業の明暗を分けるようになると考えられますが、企業にとっては従業員が幸福感をもてるように配慮することが必要不可欠になっていくといいます。 優秀な人材が、就業先を選ぶ際、給料などだけでなく、企業が従業員にどのような配慮を行うかを、これまで以上に重視されるようになると考えられるためです。幸福感の強い社員をもつことが会社にとっても非常に有益であるという事実は、2012年にハーバードのビジネスレビューにおいても発表されました。具体的には、従業員に対する接し方( 具体的に、一人一人への細かな配慮、正しい評価、チームや 会社の良好な雰囲気、公平さ、研修などによる社員の能力向上への努力、社員自分の裁量に委ねる 部分を広げることなどがあげられています)、職場の環境、ワークライフバランスの3分野を充実、魅了的に改革することが重要とします。
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ここまで読んで、以前、紹介したドイツのドラッグストア・チェーン「デーエム」を思い出しました。ドイツ国内で従業員からも顧客からも最も高く評価をされている小売業者「デーエム」が重視・実践している従業員への待遇は、ここで言及されている従業員への待遇によく似ています。その「デーエム」が、ヨーロッパ最大のドラッグストア・チェーンとして成功をおさめていることを考えると、ルックリーゲル教授が薦める企業の改革は、かなり説得力があるもののように思えます。(「デーエム」の社内方針と実績については、「ベーシックインカム 〜ヨーロッパ最大のドラッグストア創業者が構想する未来」をご参照ください。)
また教授は、個々人のレベルでも、自分自身が考えている以上に、自分たちの意識の持ちようが、自分の幸福感を強めたり弱めたりしていることがわかってきたともいいます。近年の心理学では、それらの姿勢や考え方を変化や強化することが可能で、幸福感を高めるために効果的な姿勢や考え方も明らかになってきました。
まず、自分が達成できるような無理のない目標をたてること、 やたらに他と比較してそれでくよくよ悩むことを避けること(自分の高望みの目標や欲求が満たされなかったり、常にほかと比較すると、自分への自信を喪失してしまうだけでなく、勇気をなくし、怒り、フラストレーションもたまってしまうため)、ほかの人に親切にすることなど、普段心がけて気をつけるべきことがあげられます。また、幸福感を高める考え方自体をトレーニングによって身につける、あるいは強化することも提案されています。具体的なトレーニングの内容をいくつか紹介してみましょう。
まず、楽観主義(楽観的な考え方)の強化です。楽観的な人は、悲観的な人より幸福な人が多いことがデータからもわかっており、楽観主義は幸福・満足感の中心的な指針であると考えられます。楽観主義の強化トレーニングの詳細については語られていませんが、以下のようなことのようです。自分ができることを成し遂げることで自分に自信をつけ、それを持続させることなどを通して、自分の中の肯定的な気持ちを大切にするようにします。これによって 物事全般に対しても肯定的な気持ちに重点が置ける良い循環に入り、楽観主義を維持・強めることができるというものです。
感謝できることを記録するなどして、それらに思いをめぐらし意識化することも、幸福感を高める効果的なトレーニングになるといいます。目安として、2、3ヶ月に2、3回 、1週間の間、三つの感謝することを日記などに記録することが提案されています。意識化された感謝の気持ちは、妬みや欲、敵視や不安、怒りなどの否定的な感情を抑制するだけでなく、当然でない重要なことをはっきり自覚することもできるようになるとされます。
フロー効果も有力だとします。フロー効果とは、自分が発揮できるような新しいことに色々挑戦し、没頭する(ように自分を仕向ける)ことです。それによって、嫌なことが自然に視界から消え、気にならなくなります。生活のどの分野においても、ネガティブなことにたいしてこのフロー効果は有効だといいます。
ルックリーゲル教授によると、 人々の幸福を最大化を目指す幸福研究は、今後、政治や学問研究の方向性や課題を考える上で無視できない、重要な地位を占めるようになるといいます。さすが楽観主義を薦める幸福研究の一人者だけあって、自身の研究分野の将来についてもかなり楽観的な展望です。さて、みなさんは、これらの話を聞いて、どのくらいご自身や社会全体が幸福になれそうな楽観的な見通しを抱かれたでしょうか?
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参考リンク
—-カールハインツ・ルックリーゲル教授のプロフィールサイトと書き下ろしコラム
Webvisiten Karte. Karlheinz Ruckriegel
Karlheinz Ruckriegel - Glücksexperte, Gastkolumne
Karlheinz Ruckriegel, Wohlbefinden statt Lottogewinn. Glück ist subjektiv - aber man kann es messen, Focus Online, 11.11.2013.
Karlheinz Ruckriegel, Glück beginnt am Arbeitsplatz. Die Glücksformel für den Job aus Harvard, Focus Online, 22.11.2013.
Happy New Year! So werden Sie 2014 glücklich, Focus Online, 31.12.2013.
—-インタビュー記事とテレビ番組
Christian Brandt, Was macht ein Glücksforscher?, National Geographic Deutschland, 6.8.2014.
Horst Peter Wickeln, “Bei 5000 Euro netto ist die Glücksgrenze erreicht”, Die Welt, München Glückforscher, 1.1.2013.
Stephanie Kundinger, Nürnberger Glücksforscher “Such dir eine Arbeit, die du liebst”, Süddeutsche Zeitung, 30. 3. 2014.
Stephanie Kundinger, Nürnberger Glücksforscher. Es geht nicht nur um mehr Gewinn, Süddeutsche Zeitung, 30. 3. 2014.
Wie wird man glücklich? - Ein Glücksforscher erzählt, Franken Fernsehen, 29.5.2015.
BGE Bedingungsloses Grundeinkommen, Bayerischer Rundfunk (放映日不明)(2015年4月3日視聴)
Was macht glücklich? Reiffeisen Nachrichten Südtirol. (Youtube Video)(2015年4月3日視聴)

穂鷹知美
ドイツ学術交流会(DAAD)留学生としてドイツ、ライプツィヒ大学留学。学習院大学人文科学研究科博士後期課程修了、博士(史学)。日本学術振
興会特別研究員(環境文化史)を経て、2006年から、スイス、ヴィンタートゥア市 Winterthur 在住。
詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。


協会主催 第10回ネット輸出入EXセミナー

2016-04-15 [EntryURL]

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こちらのセミナーは終了いたしました。

日本ネット輸出入協会主催 ネット輸出入EXセミナー

2010年から不定期で開催させていただいている「ネット輸出入EXセミナー」
日本ネット輸出入協会主催で毎回、ネット輸出入ビジネスのエキスパートの方々に貴重なお話をしていただいています。

日本ネット輸出入協会の塚原昭彦です。
今回の第10回目のセミナーは、
「eBay」 「中国輸入」 「ソーシャルメディア」 の実践者の方々 に登壇していただきます。
各人、その分野のエキスパートの方ですが、今回は実践者ならではの実務的なお話をお聞きできそうです。

トラブル事例や活用例、一般に世間では伝えられていない情報やノウハウをみなさまのビジネスに是非ご活用してください。

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以下の内容にを実践者ならではの視点でお話していただきます。

  • 画像検索を使った仕入先の発見
  • eBay販売で利益を出すための三本の矢とは?
  • facebookの効果的な使い方
  • 中国のパートナーさがし
  • 自社サイトを作ることの意義
  • ソーシャルメディアの可能性
  • トラブル事例とその解決方法
  • 消費税還付について
  • 劇的に人との出会いを加速させる方法
  • 輸入商品の国内での販売方法
  • キャッシュバックサイトのポイント活用
  • 還元率の良いクレジットカードのご紹介


などについてお話していただきます。
※内容は一部変更される場合があります。

今回登壇していただくゲスト講師の方々です。

eBay カメラ専門のTRS 中山諒司

中古カメラ販売はもう稼げない?

中山諒司1987年7月9日 大阪生まれの奈良育ち。
同志社大学経済学部卒業。

リーマンショック後だったこともあり就職氷河期と言われていたが大学卒業後地方の銀行に就職する。
サラリーマン時代にこれからの将来を見出すことができないことや独立したいという強い思い、また当時の上司との確執があったことから2年後に退職。

その時にBUYMAという輸入ビジネスに出会いアルバイトをしながら併行して実績を上げる。
そこで築いた人脈の伝手で自らプレイヤーとして販売しつつBUYMAのビジネスを指導するスクールにサポートとして尽力する。

またebayにも参入しカメラの販売を実践することで大きく利益を出すことができるようになり独立を決意する。

現在は上記のスクールのサポートをする傍らで輸出ビジネスを中心に実践しています。


笑売繁盛株式会社 代表取締役 桶下眞理

ソーシャルメディアで人生を劇的に変える3つの方法

okeshitamari.jpg自分の天職がわからず仕事も事務職から営業まで体験する。
パワハラ、ストーカー、リストラ等色々な体験をしようやくとあるシステム会社の事務を見つけ頑張っていたところその会社が急に倒産。

その時に「1年だけチャレンジしよう。だめだったらきっぱり諦めよう」とネットショップで 昔から夢だった独立を決意。

伝票専門ネットショップはありがたいことに「リピーターに愛されるしくみ」を作り 今年6月で10年目となりました。http://widesystem.ocnk.net/

資金もコネも人脈もない中寝る以外はずっとパソコンと向き合い仕事ばかりしていました。
0円無料ツールを使いまくり、なんとかお客様も増えていきました。
独立前に、とあるセミナーで出会った人からソーシャルメディアの存在を教えてもらい、孤独だった私はとてもこのサービスに助けられました。

また逆に自殺をしたい!というメッセージを見て、自殺を止めたことも。
あらゆる可能性が秘めているソーシャルメディア。
私は人の出会いで人生が変わると信じています。
だからこそソーシャルメディアはプライベートにも仕事にもなくてはならないツールとなっています。


Disk House 代表 光山彰啓

インターネット販売を行って経験した学び・トラブル

日本でのインターネット創世記からネット上でビジネスが出来ないかと模索し、ヤフオクが出来るやいなや不要品などの販売を始める。

不要品だけでは出品する商品が少なく、リサイクルショップや大手量販店で仕入れをを行い販売数を大きくする。

その後、eBayを通じて香港のビジネスパートナーに出会い、中国からの商品の輸入販売を始めるようになり脱サラをする。

同時にヤフオクやその他ネットオークション、ショッピングモールだけでの販売に危険性を感じ独自のショッピングサイトでも販売を始める。

現在では香港のビジネスパートナー以外に他の中国の業者との取引も行い、ネットオークションや輸入に関するスクールでも講師などを務める。


開催日時とお申し込み

■開催日時:2016年5月14日(土)14:00~17:00(休憩含む)
■開催場所:大阪 ■セミナー料金:10,000円(税込)


■セミナー終了後、懇親会がございます。
(希望者のみ 懇親会費4,000円は事前お支払いいただきます)

在籍6ヶ月以上の協会会員様はセミナー料金は無料となっております。
協会会員ない方で、6ヶ月前払いでご入会の場合はセミナー料金は同じく無料とさせていただきます。
尚、セミナー音声ファイルは協会会員全員にお届けいたします。

※ 会場は交通の利便性の良い場所を考えております。

お申し込みは以下よりお願いいたします。

こちらのセミナーは終了いたしました。

●一般お申し込みは、以下よりよろしくお願いいたします。
セミナー参加代金は、
    10,000円となります。

セミナーのお申し込み
●6ヶ月分の月会費前払いしていただき、協会にご入会していただける方は、以下よりお申し込みをお願いいたします。
今回のセミナー代金は無料です。 セミナーのお申し込み
●日本ネット輸出入協会に、6ヶ月以上継続会員様は、以下よりお申し込みをお願いいたします。
  セミナー代金は無料です。

セミナーのお申し込み


※ セミナー後の懇親会にご参加していただける方は懇親会費4,000円を別途お支払いしていただきます。

カード各種

※尚、返金につきましては、セミナー開催前日まで受付させていただきます。 セミナー・懇親会ともお席の確保の関係上、当日キャンセルの返金はできませんので、予めご了承お願いいたします。

過去のネット輸出入EXセミナーの様子

ネット輸出入セミナー
ネット輸出入セミナー
ネット輸出入セミナー

ネット輸出入セミナー
ネット輸出入セミナー
ネット輸出入セミナー

セミナー会場でお会いすることを楽しみにしております。

日本ネット輸出入協会の会員様はよくご存知だと思いますが、光山氏と中山氏は会員限定のコラムを執筆していただいたことがあります。
桶下氏も2012年に対談させていただき、その時の内容もソーシャルメディアに関する内容でした。

お三方共、長く続けられておられ、わたしが素晴らしいと思う実践者の方々です。
わたし自身もセミナー楽しみです。みなさまも是非会場に足をお運びくださいませ。

一般社団法人 日本ネット輸出入協会
代表理事 塚原昭彦

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【2016年5月15日追記】セミナーの様子

実践者ならではのお話や参加者全員でのワークもあり、とても有意義な内容となりました。

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懇親会もたくさんのみなさまにご参加いただきました。
ご参加いただけたみなさま、お三人の講師の方々、ありがとうございました。







ヨーロッパにおける難民のインテグレーション 〜ドイツ語圏を例に

2016-04-14 [EntryURL]

ここ数年、シリアやアフガニスタンなどから戦争や内戦を逃れてヨーロッパに向かう人が急増していますが、無事に入国し当事国で滞在許可も得られ後は、どうしているのでしょう? 押し寄せる難民をヨーロッパ各国がどのように、またどれだけ受け入れるか、というヨーロッパの焦眉の課題に、主要メディアの報道はどうしても偏りがちですが、今回はドイツ語圏に滞在する難民申請中の人や、晴れて滞在許可を得てヨーロッパでの定住を本格的に始めた人たちの、インテグレーションの過程について概観してみたいと思います。 インテグレーション Integrationという言葉は、統合や融合を意味する言葉で、日本語では、コンピューターなどのシステムの統合や、障害児が普通学級でいっしょに学ぶ統合教育、という意味でしばしば使われますが、それ以外ではめったに耳にすることはないように思います。しかしヨーロッパにおいて、少なくともドイツ語圏では、移民や難民について語る際の最も重要なキーワードです。(ドイツ語の発音は「インテグラツィオン」ですが、今回の記事では日本語で馴染み深い英語の発音表記「インテグレーション」を使用します。) 160414-1.jpg インテグレーションとは、簡単に言えば、ある社会において新来者と現地の住民双方が、お互いに閉鎖的にならず共存することです。しかし、具体的にインテグレーションという言葉を口にする時、社会のどちら側か、受け入れ側か新しく入っていく側か、どちらの側の視点に立つかによって、インテグレーションという言葉のニュアンス、強調・意識される点が若干異なります。ヨーロッパ社会側から捉えると、インテグレーションは、移民や難民が背景にもつ文化や風習を無視して土地のルールや文化を強要するかつての「同化」思想とは異なり、新しく入ってくる移民や難民たちの文化やアイデンティティを尊重しながら、彼らと職住環境で協調的に暮らすことを意味しています。一方、新しく入ってくる移民・難民の立場に立つと、インテグレーションは、移り住んできた場所の社会や文化に馴染んで、地域住民との交流を絶やさずに自律的に就労・生活できるようになることを指します。端的に言えば、「社会によくインテグレーションされている」というのは、難民や移民に対して、現地の住民が与える最高の褒め言葉、ということになります。 さて、今回は受け入れ側ではなく、難民の側に限って話をすすめていくことにし、 インテグレーションを、難民が目指す最終目標ととらえてみます。するとそのためには何が必要であり、実際の進捗状況はどうなっているのでしょうか。具体的にインテグレーションを、1)言葉の習得、2)現地の社会・生活のルールの習得・理解、3)就労など主体的な社会活動を通じた社会での成員化、という3段階に分けて、現状を概観してみます。 1.言葉の習得 難民申請をしてどこかの収容施設に住み始めるその日から、必要となるのは言葉です。ヨーロッパ各国は、これまでの歴史的な難民受け入れの経験から、語学学習を早期にスタートさせることが、難民の迅速なインテグレーションのためにいかに重要であるかをよく学んできました。その一方、滞在許可が下りず国外にまた出て行くかもしれない人の語学授業の支援よりも、滞在許可が出た人への集中的な支援の方が重視されるため、正式な滞在許可が下りる前の滞在者に対して、受け入れ先の自治体が、語学学習を用意したり、金銭的に支援をすることは未だにまれです。このような状況を改善すべく、迅速に対応したのがボランティア組織でした。顕著に難民数が増加したここ数年間で、ボランティア組織が中心となり、安価や無料で受けられる語学講座が各地で増えていきました。 幸い、語学を難民にボランティアとして教えることへの関心は一般市民のなかで、かなり高いようです。スイス、チューリッヒ州各地で難民への語学講座を開講している救済組織の一つには、毎日のように難民について大きな報道があった昨年秋には、語学教師のボランティアへの応募、問い合わせが殺到し、多い時には一週間で160件にものぼったといいます。ちなみに問い合わせのメールは、週日ではなくむしろ週末に特に多かったそうで、このことは、いまの普通のヨーロッパの人たちの心境をよく映し出しているように見えます。普段は自分の生活に追われて、難民のことを考える余裕はありませんが、少しゆっくりできる週末の夜などにテレビで難民のニュースをみると、無関心ではいられず、何かをしなければという気持ちにかられる人も続々現れてくるということなのでしょう。ヨーロッパ人において、難民に対する意識はいつも一定というわけではなく、時によってムラがあり、状況への戸惑いと何とかしなきゃと思う義務感が、交錯しているように思われます。
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(出典: Grundregeln für das Zusammenleben. Kanton Luzern)
私事になりますが4年前から、わたしもボランティアとしてスイスで移民や難民を対象にした初心者向けドイツ語講座を受け持っています。そこで強く感じるのは、もちろんそこでは語学学習が最重要課題なのですが、それ以外にもたくさんのことを経験し、学ぶ場になっているということです 。特に難民に限ったことではないのですが、内戦や様々な事情でほとんど学校教育を受けてこられなかった人や、教育制度があまり発達していない地域から成人してからスイスにやってきた人たちにとって、学習するということ自体が、たやすいことではありません。質問されたことに答えること、ノートにメモをとること、宿題をすることが習慣化されていないだけでなく、教科書や消しゴム、鉛筆を毎回もってくることさえも自明ではないこともしばしばです。このような人たちには、なにかを学ぶためにノートをとること、復習することといった基礎的なルーティンワーク、またはそれ以前の、語学講座に時間に遅れず毎回参加するということから、「学ぶ」課程がはじまっていると言えます。 2 現地の社会・生活のルールの習得・理解 勉強の仕方だけでなく、もちろん、生活の仕方も、難民の祖国と大きく異なることがあるため、これらについても、徐々に学んでいくことが不可欠です。特に大晦日のケルンで起こった女性への暴行事件をきっかけ後、受け入れ側であるヨーロッパ社会の不安解消のためにも、対外マナーや社会のルールを、丁寧に伝え、難民にきちんと理解してもらうことの重視性が改めて強く認識されるようになってきました。 その結果、挿絵入りの冊子と通訳を介した、社会の基本的なルールについて説明や、法律専門家によるヨーロッパの法制度についてのより専門家による講義や質問会などが、スイスやドイツなどの各地で頻繁に開催されるようになってきました。難民にとって決して自明ではない文化背景が大きく異なるヨーロッパ社会の習慣やルールを、質問しながら難民自分自身で確認をすることができ、さらに母国の制度や習慣と異なる点やドイツでの難民としての立場を客観的に理解し、自らの意見もその場を借りて多少発言できるため、参加する難民にも好評のようです。 難民に的確な手引きをし、社会との摩擦を効率的に減らしていくため、通常のソシアルワーカーではなく難民問題に特化した専門スタッフを増やすことも課題となってきました。オーストリアでは、ソシアルワーカーを養成する通常の大学の学科に、新たに難民のケアや指導に当たる専門員を養成するための大学の専門講座が今年の5月から開設される予定です。3学期(1年半)間、週に数日大学へ通い、難民に関連する法律や制度や具体的な指導・ケアに必要なノウハウを専門に学ぶコースで、新年度は30人弱の定員枠でスタートする見込みです。 3.就労など主体的な社会活動を通じた社会での成員化 インテグレーションの最終段階(目標)は、社会の成員としての就労などの自律的な活動や主体的な社会参加です。もちろんこれに対して長期的で細かな支援ができれば理想的ですが、現実は、断続的で断片的な支援が各地、各方面で、手探りではじまったという段階です。 以前、 「ドイツとスイスの難民 〜支援ではなく労働対策の対象として」で、 介護分野やホテル、飲食業界、クリーニング業務など人手不足が深刻な産業分野では、難民のこれまでの就労経験に関係なく、新たな労働力として期待がかけられていることについて触れましたが、難民のもつ高い専門性やキャリアを評価・尊重し、それを最大限に活かした就労に特化し支援するしくみも、各地でできつつあります。大学研究者たちがイニシアティブをとって、研究者など高い研究技能をもつ難民たちに、キャリアを活かした仕事につくために必要な情報を提供するセミナーや、それぞれの専門分野の研究者や企業と連絡がとれるよう仲介する活動もオーストリアではじまりました。スイスでも同様の問題意識をもって、 難民関連についての抜本的な改革計画があり、夏に国民投票にかけられることになっています。 160414-4.jpg このような一連の動きは、難民が急増してくるにつれて、受け入れ先、教育先、制度など、これまでほとんど存在しなかったところから、一時しのぎの措置として少しずつ発達してきました。周到に検討する時間も予算もおぼつかないなか、現場で難民も協力スタッフも試行錯誤の経験を積みながら、やっと道すじ(前例や制度)とおぼしきものが、それぞれの地域ででき始めたという感じです。一方、今いる難民が今後どのくらいインテグレーションしていくか、また今後さらにどれくらいの難民が国内に滞在することになるのかなどの、今後の具体的な見通しなども全くたっておらず、難民当事者たちとヨーロッパの現地の人たち双方で不安も強く、あちこちで社会的な緊張関係がみられ、排外的な動きや難民同士の対立や暴行事件などの不穏な動きも噴出しています。 ヨーロッパの難民を取り巻く状況は、このように不穏で先が見えにくいものではありますが、私には忘れられないひとつの体験があります。一個人の体験にすぎませんが、今回のテーマの最後に紹介させていただきたいと思います。2年前、スイスのある老人ホームでボランティアをしている人が年に一度招かれる感謝会に初めて参加した時のことなのですが、隣席する人と話をしてみると、ドイツ人、チェコ人、トルコ人、オーストリア人、イタリア人と座っていたのは偶然にも外国からの移民ばかりだったのです。老人ホームのスタッフたちに、深刻な人員不足の結果、外国出身の人が多いことは知っていましたが、老人ホームでボランティアをしている人にも外国出身者が多いとはそれまで知りませんでした。あとで調べてみると、わたしの住む都市の市営老人ホームのボランティア・スタッフ約250人の出身国は、 現在5大陸にまたがり、言語数は15カ国語になることがわかりました。 それだけといえばそれだけの体験なのですが、これは、自分にとっては忘れられない原体験です。それぞれ異なる時期に何かの理由でスイスという土地に流れ着いてきた外国人たちが、長く住んできたスイスという第二の母国で、スイスの老人達(現在の老人ホームの居住者世代には、外国出身の居住者はほとんどいません)をボランティアとして支えているということ。これはスイス社会が概して、ふところ深く、様々な外国人を受け入れてきたことの証しでしょう。それと同時に、現在スイス全住民の約四人に一人を占めている外国人が、同郷人同士で支えあう扶助組織だけでなく、スイス社会全体に還元されるボランティアの担い手となっていることを目の当たりにしたことで、「移民や難民と共存する社会」がどんなものかを、かいま見られたように思えました。もちろんこの時のこの場面は、社会の一断面にすぎず、長期的に持続するものなのかもわかりませんが、こんな風な移民や難民と共存する場面が、他の社会のあちこちの場所で、年月を重ねるうちに結晶のようにさらに多く社会にあらわれてきて、社会の連帯を新しく構成していくのかもしれない、そんな調和的な社会になったら素敵だな、と思います。少なくともそのような希望を最初から放棄して、悲観的なビジョンにだけ執着しないことが、これからも大切なのではないかと思います。 //// 参考リンク・文献 —-オーストリアの難民政策としてのインテグレーション Sebastian Kunz (Bundesminister für Europa, Integration und Äusseres, Gastkommentar) Österreichs Verantwortung in der Flüchtlings- und Asylpolitik, Thema Vorarlberg, 4. 2016, S. 17. —-難民にヨーロッパの習慣やルールを教えることについて Knigge für Asylbewerber mit 20 Piktogrammen, Tagblatt, 27.1.2016. Das ist der Benimm-Flyer für Asylsuchende in Luzern, Tagesanzeiger, 27.1.2016. Grundregeln für das Zusammenleben. An diese Regeln müssen sich alle halten (Kanton Luzern) Rechtsstaat in drei Stunden. Integration, der Spiegel, 25.3.2016.(デジタルキオスクBlendle にて閲覧) —-難民専門家の育成について Kurzlehrgang „Sozialarbeit mit AsylwerberInnen und Konventionsflüchlingen” https://www.fhstp.ac.at/de/newsroom/news/neuer-lehrgang-zu-sozialarbeit-mit-fluechtlingen https://www.fhstp.ac.at/de/studium-weiterbildung/soziales/sozialarbeit-mit-asylwerberinnen-und-konventionsfluechtlingen —-研究者(難民)支援について Science in Asylum http://www.scienceinasylum.org/index.php/home/ http://science.orf.at/stories/1768326/ Migration. alma. Das Alumi-Magatin der Universität St. Gallen, 2/2016, S.4-5.

穂鷹知美
ドイツ学術交流会(DAAD)留学生としてドイツ、ライプツィヒ大学留学。学習院大学人文科学研究科博士後期課程修了、博士(史学)。日本学術振 興会特別研究員(環境文化史)を経て、2006年から、スイス、ヴィンタートゥア市 Winterthur 在住。
詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。


現代ヨーロッパの祖父母たち 〜スイスを中心にした新しい高齢者像

2016-04-08 [EntryURL]

2014年の8月、スイスで一つの新しい雑誌が誕生しました。50才から75才のスイスドイツ語圏の孫がいる高齢者層を対象にした雑誌で、雑誌名はずばり『祖父母 Grosseltern』です。子供をとり囲む社会の諸問題から、孫との旅行に行く時や預かる時のポイント、簡単な孫との工作や料理レシピ、遊びのアイデア、さらにスターウォーズやピストル型の新型シューティング玩具など子供の間で流行っているものの解説まで、孫との交流・関係を良好に保っていくための多種多様なテーマを扱っています。年に10回発行される雑誌は 一部9スイスフラン50ラッペン(日本円で約千円)で決して安くはありませんが、当初目標としていた最低3千人の年間購読者を、発行からわずか8ヶ月で達成しました。2016年の現在は、発行部数は2万部、読者は5万人と概算され、わずかな予算で新しい規模の小さな出版社からスタートした雑誌としては、予想以上に堅調な成長ぶりです。 160408-1.jpg この雑誌、ドイツ語圏初の祖父母に特化した専門雑誌として、発刊当初からメディアでも高い関心が向けられ、これまでスイスだけでなくドイツの主要メディアでも、たびたび紹介や引用されてきました。雑誌の知名度は一般の高齢者の間でもかなり高まってきたようで、知人の高齢者の何人かに聞いてみても、雑誌を手にしたことがある人や、手にしたことはないけれど雑誌の存在を知っている人が結構いました。メディアや高齢者の間で新規の雑誌が注目され、堅調に部数も伸ばしているという事実は、 一重に「祖父母」というもの自体への関心や様々な需要の高まりを示していると考えられます。しかしなぜ、今改めて「祖父母」という、これまでもずっと存在してきた社会層が注目されるのでしょう?雑誌や出版業界全体が低迷する中、雑誌の単独テーマとして成立し、経済的に軌道にのるほど、祖父母の話題に関心や人気が集まるのでしょう? 心理学者ペリック・ヒエロ教授は、昨年スイス、ヴィンタートゥアで開催された「高齢化フォーラム」の講演で、高齢者を「若い高齢者」と「従来の高齢者」に分類していました。現在80代・90代のいわゆる従来の高齢者 -わたしたちがこれまで高齢者として接してきた人々- は、1930年代40年代の戦争と混乱の大変な時代を生き抜いてきた世代で、女性の教育レベルは男性のそれに比べて圧倒的に低く、男女ともに「なにができるか (英語のcan)」ということよりも、「何をしていいのか (may)」を軸にして生きてきた世代だとします。倹約などの社会規範や宗教観も強い世代です。 一方、「若い高齢者」は、発想も行動形態、健康状態も、これまでの高齢者と大きく異なるとします。雑誌『祖父母』の購読主要対象者は、まさにこの「若い高齢者」に当たります。それでは、具体的にどんな風にこれまでの高齢者と違うのでしょうか。以下、社会学者ヘプフィンガー教授の特に孫との関係に焦点を当てた研究や報告書から、この新しいヨーロッパの「祖父母」像を、スイスを中心にみていきたいと思います。 1900年までスイスでは60才以上の人の人口比は1割以下だったのに対し、20世紀半ばに13%、2000年は20%、2020年には23%、2050年は33%まで増加すると予想されています。2004年のスイスの調査では、 65才以上の人の3分の1に孫がおり、12才から16才の都市に住む685人の子供たちの調査では、祖母と祖父の大半の年齢はそれぞれ 55から60才、 60から63才でした。質問したこれらのこどものうち96%が少なくとも 2000年前半の調査では、祖父母のうちの一人がいました。 ほかの文化圏とヨーロッパの高齢者を比較した際の大きな特徴の一つに、世代が別に住み、生計をたてていることがあります。2000年前半、スイスでは65才から79才までの人で孫と暮らしているのは2%のみで、80才以上でも3%にすぎません。ドイツでも同様で、70から85才で3%にもなりません。3世代が同居しているケースは、1%未満です。 同居はしていなくても、祖父母による孫の保育は、ヨーロッパどこでも一般的です。ただし祖父母の孫の育児への関わりかたは、保育施設の状況や人口学的な条件、また女性の働き方や割合の違いなどによって大きく異なります。なかでも決定的に重要なのは保育施設の普及状況です。全体として、保育所が整ってくると、祖父母の保育は減る傾向にあります。女性の社会進出をすすめ、出生率もあげるため、加盟国にこどもの保育施設の充実化をEU全体として目指していますが、実情は各国によって大きく異なっており、ヨーロッパ南北で大きな差がみられます。全般に北欧は公共の保育施設が発達していますが、南欧は遅れており、南欧の祖父母の約3割が、週に40時間子供をみているといいます。 一方、祖父母の孫の保育は、単に施設の有無の問題ではなく、伝統的な保育に対する規範の違いによるところも大きいとされます。イタリア、スペイン、ギリシアなどの南欧では家族主義が強く、育児に協力すべきという見方が強いのに対し、スウェーデンやデンマークでは、個人主義が強く、祖父母が見るべきだというような社会規範はありません。つまり、南欧では保育施設の不足に伝統的社会規範が拍車をかけて、親世代の強い需要にこたえてやらざるをえないといった状況のようです。一方北欧でも祖父母の育児協力や頻度は多くみられますが、これは必要にせまられているのではなく、保育施設の有無に関係なく、一種の(孫を保育できるという)「特権」として自発的に祖父母が保育に関わっているというふうにとらえられます。 160408-2.jpg スイスの保育をめぐる状況は、北欧というよりイタリアなどの南欧に近いとされます。保育所は徐々に増えていますが、金銭的な公的補助が少ないため、子供二人を週2回保育園にあずけると月に2000スイスフランにもなり、保育園の敷居はかなり高いというのが実情です。このためスイスの祖父母の保育の出番が多くなることとなり、現在、親以外の人に子供が保育されている場合の実に5割以上が、祖父母によるものです。総計すると年間、祖父母が費やす孫のための保育時間は総合で9960万時間にも達し、貨幣評価額は30億フランに相当します。 これほど祖父母が保育に関わることができるということは、体力や良好な健康状態を祖父母が維持しているということを示しているともいえます。実際、現在の祖父母の健康状態は、これまでの時代の同世代の高齢者に比べ、健康や体力面からみると、これまでの高齢者よりも平均10余年若いといいます。(スイスの高齢者全般の暮らし方と世界各国との比較評価については、「スイスのお年寄りの元気の秘訣? 」をご参照ください。) 健康状態が良くなったことは、家族関係にも非常に大きな影響を与えることになりました。子供や孫、ひ孫とともに過す時間が長くなり、保育においても密度や関わり方、充実度が増します。 また健康であることで、活動的になり、家族だけでなく高齢者同士の交友も以前よりさかんになりました。スポーツに興じる時間も頻度も増えています。特に1980年以降、運動する高齢者が急増しました。それまで高齢者の運動といえば、散歩がほとんどだったのに、体操やスポーツなど運動の種類も増えていきます。2012年のスイスの調査では、65才から74才の人で、週に少なくとも150分運動するかあるいは週に2回集中的な体の運動する人が、男性では8割強、女性は7割おり、75才以上でも男性の6割、女性の5割を占めています。 人口比率や健康・活動範囲だけでなく、メンタルな面でも、新しい高齢者には、これまでの高齢者との大きな違いがあります。もともとヨーロッパでは、19世紀以降、市民的な家族像が定着するなかで、 祖父母のイメージも市民的家族像に合うように理想化されてきましたが、祖父母の役割は定型化されてきませんでした。つまり祖父母の権利や義務がはっきりしないことが一種の伝統となり、 孫と祖父母の関係は、その密度や内容を当人たちが自分の裁量で比較的自由に決められる関係として存続することになりました。このことは、ヨーロッパの現在の祖父母たちのほかの文化圏と大きく異なる、二つ目の特徴でもあります。 さらに新しい高齢者層は、時代をリベラルに改革していったこを自負する68年世代であり、従来の高齢者に比べると、女性の学歴も高く、価値観や教育についてもかなり柔軟な発想をもっており、変化する社会の動向や技術にも積極的に対応、順応する姿が顕著です。スカイプ、フェイスブック、ワッツアップなどを使いこなすようになったことで、親の代を介さず孫とじかにコミュニケーションもできるようになりました。中学生以上の孫には、1年に2、3回しか会わないというのが半数で、毎週会うというのは3分の1以下ですが、頻繁に会えなくなってもこれらのデジタルツールを通して交流が補充されるようになっているといいます。これまでの高齢者が、新しいものから全般的に距離をおいていたのとは対照的です。 これらの結果、現代のヨーロッパでは、歴史上これまでないほど、異なる世代間の関係が良好だといいます。スイスとドイツの孫と祖父母の双方を対照にした調査では、両者とも90%以上が、お互いの関係(孫と祖父母の関係)を重視していました。孫がいる高齢者は、ほかの年齢の孫のいない人より幸福感が強く、若々しく感じている人が多く、孫にとっても、ティーンエイジャーになってからも親以外の重要な信頼できる人物として代替し難い重要な役割を担っています。まさに孫と祖父母両者にとって現在の両者の関係はウィンウィンの関係であるようです。 160408-3.jpg さらに近年では、社会に積極的に働きかけあるいは挑戦するような新たな高齢者の動きもみられます。中心となっているのは、数年前から大手生協の文化支援プロジェクトとしてはじめった高齢者女性たちのネットワークや集会活動に起源にした通称「おばあちゃん革命」と呼ばれる若い女性高齢者が中心となっているプラットフォームで、かつて女性参政権で戦い今は祖母となった女性たちが、持ち前の若々しいエネルギーを全開に、自分たちの立場や主張を社会にアピールするようになりました。そして現在千人に達した会員たちは、具体的に高齢者をめぐる従来の状況に異議を訴えたり、多種多様な世代や移民出身者が混在する今日のスイスの社会を連帯させるために、様々な提言や活動を各地で活発に行っています。祖母に孫がいるからといって、保育を引き受けることを自明のことのように考える世の中の風潮にも疑問を抱き、孫の保育を含め、高齢者が自分たちの生き方を、自由に選び取ることの大切さも訴えています。 さて、ここまで読まれてきて、どんなことをお感じになったでしょうか。これまでもってきた高齢者のイメージや理解と、最近の実際の高齢者たちの様子がずいぶん違うと感じられた方が多いのではないかと思います。新参高齢者も、社会が期待する高齢者イメージと自分たちとの間にギャップを感じ、暗に一定の型に押し込められているような息苦しさを感じることも多いようです。『祖父母』3号目の雑誌の白髪にエプロン姿の女性の表紙の写真に、読者から自分たちはこんな古めかしい祖母ではない、と多くのクレームがあったというのも、世の中からおしつけられる役割やイメージに反発する威勢のいい気概をよく表しているといえるでしょう(Nr. 9.Sept.2015, S.17)。一方、孫世代の間では、この新しい高齢者しか知りませんから、偏見や戸惑いもなく、そのままの祖父母の姿が受け入れられているようです。自分たちのこの若い祖父母について、話がわかって気前のいいという肯定的な評価が圧倒的で、古めかしく流行おくれだとは思っている人はほとんどいませんでした。 先述の講演会でペリック・ヒエロ教授は、80代以上のなにをしてもいいかを考える世代とは対照的に、新しい高齢者たちは、どこまでなにができるかを追求する世代だ、と表現していました。新しい高齢者たちは、これまでの形式や高齢者の慣例的なライフスタイルにこだわらず、どこまで何ができるか今後の社会で挑戦してゆき、人類史上これまで経験したことのない4世代が共存する新しい社会の地平線を、力強く切り開いていってくれるのかもしれません。

参考サイト、文献、講演

—-雑誌『祖父母』について Das volle Leben der Grosseltern, tagesanzeiger, 27.8.2014. Neues Magazin für Grosseltern, NZZ, 27.8.2014. Ein Schweizer Verlag hat ein Magazin für Grosseltern realisiert. Badener Grosseltern-Magazin ist auf Kurs, SRF, 4.5.2015. Georg Gindely, Grosssltern. Ganz schön intensive, zeitonline, 7.3.2016. Badener Grosseltern-Magazin ist auf Kurs,SRF Regional,4.5.2015. —-講演会「新しい世代間関係。新しいチャンス?」について Pasqualina Perrig-Chiello, Neue Generationenbeziehungen - neue Chancen?, Altersforum Winterthur. Fachtagung, 5.3.2105. —-ヘプフリンガー教授の祖父母と孫の関係についての研究 François Höpflinger, Beziehungen zwischen Großeltern und Enkelkindern - aus der Perspektive beider Generationen. Erscheint in K. Lenz / F. Nestmann (Hg.), Handbuch Persönliche Beziehungen. Weinheim 2009. Lukas Scherrer, Die zweiten Eltern,  Schweiz am Sonntag Nr.9, 6.5.2016. François Höpflinger, Kinder, Grosseltern Beziehung, 15.10. 2010 François Höpflinger, Cornelia Hummel, Valérie Hugentobler, Enkelkinder und ihre Grosseltern - internegenerationelle Beziehung im Wandel, 2006. —-「おばあちゃん革命」について Grossmütterrevolution —-その他 Madeleine Hofmann, Alles für das Enkelkind, The Europian. Das Debatten-Magazin, 12.1.2015. Zwischen Last und Liebe - Die neuen Grosseltern, SRF, 2. 7. 2015. Elisabeth Sticker, Über das Verhältnis der Generationen. Die Rolle der Großeltern. No.469, 12.2008. François Höpflinger, Die ‚jungen Alten’ sind sportlich aktiv, SenLine. Altern gestalten lernen, Die Online-Zeitung für Generationen.(更新日付不明) François Höpflinger, Freundschaften im Alter - eine wertvolle Ressource, SenLine. Altern gestalten lernen, Die Online-Zeitung für Generationen

穂鷹知美
ドイツ学術交流会(DAAD)留学生としてドイツ、ライプツィヒ大学留学。学習院大学人文科学研究科博士後期課程修了、博士(史学)。日本学術振興会特別研究員(環境文化史)を経て、2006年から、スイス、ヴィンタートゥア市 Winterthur 在住。
詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。


World First の手数料とPayPalの受取口座としての活用について

2016-04-03 [EntryURL]

アマゾン輸出の売上を受け取るためには、アメリカの銀行口座を設定しなければいけません。

worldfirst125x125.pngアメリカ法人をお持ちの方はアメリカの銀行口座を開設してその銀行を設定されますが、個人の方はペイオニアかWorld First を利用されていると思います。

ペイオニア (Payoneer)とWorld First 、各々メリットとデメリットがありますが、「手数料」だけ比較して考えるならば、World First の方が良いということになります。


手数料にもいろいろありまして、ペイオニア (Payoneer)の場合は、
・カードを作った場合(日本の郵便局などのATMで引き出し可能)その年会費が29.95ドル。
・アマゾンからペイオニアの口座への入金手数料が1%。
・ATMで残高照会した場合の手数料1ドル。
・ATMで引き出した場合、その手数料が3.15ドル(日本の指定口座に送金する場合は手数料はなし)。

そして、・ATMで引き出した時のドルから円の為替手数料が3%です。

ペイオニア (Payoneer)の為替手数料は2%~3.5%なんです。
※ 為替手数料とは正式な為替レートに対して引かれるものです。
※各手数料は2016年4月現在のものです。

多くの方がこの為替手数料が利益少なくしていることに気がつかれていません。ペイオニア (Payoneer)のカードでちょこちょこお金を下ろしてたら折角の利益がドンドン目減りしていくのです。

World First の場合、 為替レートは1回の送金額によって異なりまして、0.15%~0.5%です。送金額が大きいほど為替レートは優遇されます。
その他の手数料、たとえば口座開設費や維持費、年会費などは一切かかりません(国内への銀行への送金額が1,000ドル未満の場合は、30ドルの手数料がかかります)。

比較すると、売上があがってきたらWorld First を使った方が絶対得ということです。

World First のその他のメリットをみてみましょう。

● アメリカ口座、UKポンド口座、ユーロ口座、そしてカナダドル口座の開設可能 ● 1つのアカウントに複数の口座を提供する事が可能 ● 日本語対応可能なスタッフが電話でサポート(3コール以内に対応)

あともうひとつ、アマゾンだけでなく、eBay (イーベイ)等その他のマーケットプレイスにも対応しているということも大きなメリットです。
つまり、アマゾン輸出していないから関係ないと思われているeBayセラーにとって、とても重要なことで、

PayPal (ペイパル)からの送金口座にこのWorld First を指定すれば(PayPalも独自の為替レートを設定してますので為替手数料は高いです)、
PayPal (ペイパル)→World First →日本の銀行とキャッシュフローは若干悪くなりますが、為替手数料が大幅に削減できます。

登録も無料で簡単ですので、ネット輸出ビジネスをされている個人・法人のみなさまは是非ご活用ください。

※ 2020.05.31 WorldFirstの手数料を修正いたしました。

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